短編2
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自殺名所

私が20歳の時の話です。当時、私は彼氏と別れたばかりで気持ちが荒れてました。いつもは夜出歩いたりしないんですが気持ちが荒れていたのもあって深夜に日本海沿いの国道を運転してました。地元から隣県をまたごうとしていた時、運転に疲れてしまい、休憩しようと思っていたら『〇〇公園』の看板が目に入り、そこへ入って行きました。駐車場には数台の車がいて、私はタバコを吸って休憩してました。暫くすると隣に駐車していた車の男性から『遊び行こ』と声を掛けられたのですがウザったいので『家に帰る途中だから』と上手く交わしてその場をあとにしました。早朝に家につき、私はベッドに倒れ込むように眠りにつきました。

それから何時間経ったでしょうか…

誰かに名前を呼ばれている気がしてベッドから起き上がりました。頭がボーッとしてましたがとりあえず窓を開け外を見回しても誰も居ません。親が呼んるのかと思い自室からリビングに行きましたが出掛けてるのか誰も居ません。気のせいかと思い、またベッドに行き眠りに落ちそうになった時でした。

『Mさ…ん』と私の名前を呼ぶ声が聴こえてきました。エッと思い、起き上がり、また窓を開けましたが誰も居ません。変だなと思いながらまたベッドに潜り込み、ウトウトし始めたらまた誰かが私の名前を呼ぶんです。

でもさっきとは状況が違っていました…

今度はその呼び声が耳元でするんですから…

元々、霊感が強い私は『ヤバイ』と直感的に思いました。体は鳥肌が立ち、動きません。

とりあえず心を落ち着かせてから体中のあらゆる神経を集中させ気配を感じ取ると私の背中側に『声の主』はいました。

どうしようと考えていたら金縛りが解けたので思い切って振り返ると

『水浸しの女性』がベッドに添い寝してました。

最悪だよと思いつつ、悲しそうな表情のその女性に

『私に憑いてきても貴女に何もしてあげられない、せめて線香だけは焚いてあげるからこの家から出てって。力になれなくてゴメン』と言いました。

するとその幽霊は目の前からスッと消えました…

直ぐに立ち上がり仏壇に線香と蝋燭を供えて一生懸命拝みました。

後日、友達にその話をしたら私が行った所は東北でも有名な自殺名所だとか…いつもは霊感が強いが為に絶対に近付かない場所でしたが気持ちが荒れて不安定だったので感じ取れなかったのでしょう。それ以来、また夜は出歩かないようにしてます。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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