中編3
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地獄のレストラン 前編

 みなさんには決して忘れる事の出来ない怖い出来事ってありますか?

誰しも、ひとつはあると思うんです。

 今回は私が体験した決して忘れる事の出来ない怖い出来事を読んでいただきたいと思います…

 もう10年以上前の話です。

私は某県で白バイ隊員をしていました。

子供の頃から憧れの仕事だったので、この仕事には誰よりも誇りを持っていました。

検挙数は県内でもトップクラスで何度も表彰されたことが、ありました。

バイクの腕にも自信を持っていました。

 

 そう、あの時までは…

 あれは、まだ桜の咲く前。

ちょうど今頃の季節でした。

 

 その日は夜のパトロールに出かけていました。私の管轄の地区は今だに暴走族が頻繁に走ってる様な場所だったので夜のパトロールも行われていました。

月曜の夜という事もあって暴走車は一台も走っておらず、もう署に帰ろうかなぁと思っていました。

すると路地から一台のバイクが猛スピードで、こっちに向かってきたのです。

私は一瞬驚きましたが、すぐに我に返り、そのバイクを追跡しました。

そのバイクは見たこともないバイクで、車体が小さいわりに、ものすごいスピードを出していました。

私の呼びかけにも反応せず何かから逃げる様に暴走していました。

私は、こち亀の本田さんタイプでバイクに跨ると頭に火が付いてしまうので救援も呼ばずに、ムキになってそのバイクを追跡しました。

 

 10分くらい追跡をしたんですが相手は、この辺の地理に詳しいのか狭い路地もスルスル走っていき私は、とうとう捲かれてしまいました。

 

 そんな経験、今までなかったので大変ショックを受けました。

それと同時に今、自分がどこにいるのか分からない場所まで来てしまった事に気付きました。

 

 途方にくれながら走っていると目の前に先ほどの暴走バイクが停車してるではないですか。

バイクの先には、もうボロボロになって潰れてしまっていると思われるレストランがありました。

私は直感でこのレストランで仲間と落ち合ってるんだなと思いました。

 そして意気揚々とそのレストランに足を踏み入れました。

 正直怖くなかったです。

私は幼少の頃から柔道を嗜んでおり、2~3人くらいなら一人でも相手ができると思っていたからです。

 

 ドアを開けると、そこは思っていたよりも広くて一瞬呆気にとられてしまいました。

 中は閑散としていて、テーブルとイスが何台か並んでいるだけでした。人の気配も全くせずに、ただただ沈んだ空気が流れていました。

私は感が外れたか?と思いながら、その場を見渡しているとテーブルの下に、あの暴走バイクの運転手が横たわってるではないですか!

私は走って駆け付け、その青年を抱きかかえました。

ヘルメットを装着したままだったので、顔色を覗おうとヘルメットを開きました。

その表情を見たとき私は驚愕しました…

続く

 

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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