中編3
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油断

このサイトに投稿された作品で、『リアル』と言う作品を読まれましたか?

僕は怖い話や、オカルトの類が嫌いではなく、寝る前に、色々なサイトで怖い話を読んで寝るのが習慣になっていました。

僕自身は霊感が強くはないのですが、厄介な事にごく稀に見えてしまいます。

しかも、決まって一人でいる時に…

見えてしまう度に、『怖い』『もう興味本位で余計な事はしない』『サイトも見ない』と本気で思いますが、気付けばまたホラーテラーを見ていました。

そして先日、『リアル』を読みました…

その時は、良く出来た話だとか、こんなオチよく思いつくなーだとか、そんな気楽な事を考えていました…

そして『リアル』の事も忘れかけていた昨夜、疲れが溜まっていたので、職場から急いで一人暮らしのアパートに帰り、午後11時頃布団に入り、すぐに眠りに着きました。

ゴリゴリッ、ゴリゴリッ、ゴリゴリッ、ゴリゴリッ

…え??

…なに???

完全に熟睡していた僕は、普段聞き慣れない音で目を覚ましました。

携帯を開き、時間をみると午前2時。

音は、リビングから聞こえます。

なに?テーブルがどーにかなってんのか?

…いや、これはヤバい系の音だよな……

僕は、そのまま頭から、足の先まで布団を被り、もう一度眠りに着こうと目を閉じました。

その間もずっと、ゴリゴリッ、ゴリゴリッ、ゴリゴリッ、と聞こえてきます。

かなりビビってはいましたが、『なんか久しぶりの霊体験だな』等と考える位の余裕は有り、そのままウトウトし始めました。

ゴリゴリッ、ゴリゴリッ、ゴリゴリッ、…………………

終わった?

眠気と、布団に潜り込んでいた暑さで朦朧とした意識の中、音が止んだのがわかりました。

まだ、怖かったのですがあまりの暑さに汗だくになっていた僕は、左足、右足と慎重に、コソーっと布団から出しました。

どーしても顔を出す勇気が持てず、上半身は布団を被ったままの状態になりました。

『いきなり足掴まれたりしたらどーしよ』と怯えていましたが、得に何も起こらず感覚では20分程が経ちました。

僕は髪の毛がビッショリ濡れる程、汗をかいていました。

…よし、思い切って顔出そう……

似たような体験は今までも有り、ビビりながら顔を出した所で、何も起こる訳がない。

そう自分を勇気付けながら、一気に布団をめくりました。

ウェッッ!!!!

僕の顔を、女性がニヤニヤしながら覗きこんでいました…

ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ

あきらかに悪意に満ちた表情。

実際は表情と言うよりも、直接頭の中に語り掛けてくる様な感じです。

今まで僕が見た事のある霊とは、異質なモノでした。

体は動くのですが、僕の顔の数十センチ先に顔がある為、起き上がる事もできず、ジタバタすればする程パニックになっていきました。

…シィ…テェ……ミィィイィ

何を言っているのかわからず、目を閉じ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいと繰り返しました。

…記憶はそこまでです。

朝、耳に違和感を感じ、耳の穴を触ってみると、ブチュッ、と何かが潰れた様な音がして、手には膿と、血がついていました。

耳鼻科に行きましたが、耳の穴の中にビッシリとニキビの様なデキモノが出来ていて、耳鼻科では手の施し用がないそうです。

実際どうかはわかりませんが、僕の前に出てきたモノは、『リアル』に出てきていたヤツと同じなのではないでしょうか…

…面白半分に読んでしまったから。

霊の話は、軽々しくしない方がいいのは、わかっていたはずなんですけど……

家にも帰れないし、食欲もないし、寝れないし、仕事も休んだし、彼女にも迷惑かけたくないし、家族にもだし、耳が気持ち悪いし………

バカだ。マジで。

誰でもいいので、助けていただけませんか?

全部無くしそうです…

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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