短編2
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帰りなれた道

これは俺が以前、実家に帰省した時に体験した話だ。

実家は長野県でも田舎な場所にあり、M町って所にあるんだが、ここが変わった町で松の木がそこら中にびっしりと生えてるんだ。

そのせいか、間引きしてないところは昼間でも薄暗くて、地面も湿り気があって少し怖い。

実家は、そんな道を3回通った所にある。

 

車に乗るようになった今では気にはならないが、学生時代は歩いて帰る度、ビクビクしていた。

なんでかって丁度夕方になるとさ、完全に暗くなってすれ違い様にしか向かってくる相手に気付かないんだよ。

だから、極力早く帰宅するように昔はしていたが…久々の帰省ということもあって、俺は忘れていた。

 

田舎だから何もない。帰省中、暇を持て余した俺は、ちょっと近くのスーパーまで歩いて買い物にいくことにしたんだ。

そして、学生の時、歩きなれた道を歩いていく。

一歩一歩踏み出すたびに、少しずつ懐かしさがこみ上げてきて、思い出に浸りつつ、道を進んでいった。

 

やがて、1回目の暗い道に差し掛かる。

学生時代夕方にはここを通りたくなかったことを思い出したが、引き返す気にもならず、仕方なく歩を進める。

そして、道の真ん中辺りまで来たとき、不意に誰かとすれ違った感じがした。

嫌な感じがしたが、道の都合上仕方がないと諦めて道を終える。

 

それからしばらくして、2回目の暗い道に差し掛かる。

道の真ん中辺りまで来たとき、先ほどよりも近くすれ違った感じがした。

何故か嫌な汗をかいていた。

 

そして、最後の暗い道。

真ん中あたりに来るとき、わざと少し横に俺はよけた。

 

すると、虚空をきるような音の後、舌打ちが聞こえた。

 

「二回目で刺しておけばよかった」

怖い話投稿:ホラーテラー とある夜勤の幽霊体質さん  

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