短編2
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桜 コピペ

by 竜崎亮さん

2010/04/08 15:57

こんにちは、こんばんは、おはよう御座います。竜崎亮です。

アキラ君とお花見に随分前、行きました。その時、アキラ君が話してくれた話です。

アキラ君がやんちゃだった時、世話になった兄(あに)さんが事故でなくなったそうです(血のつながりはない)。

単独事故。山道をバイクでトバしていて道をはずれてポーンと真っ逆さま。即死だったとか。

勿論、骨も身体もグッシャグシャ。最期のお別れ無しで骨になったそうです。

兄さんが亡くなって丁度49日。

季節は春爛漫。草木は歌い、鳥はさえずり、桜は満開。

「そう言えば兄さんは桜好きやったなぁ。よう庭の桜の下で花見したなぁ」

アキラ君は法要が終わり、兄さんの家に行く途中、ぽつりと呟き、その呟きに仲間もそれぞれ反応を示しました。

不意に誰かが「今日、夜に花見しよや。兄さんの家の庭で」と言い出し、誰かが兄さんの親に、兄さんを見送る花見をしたいと連絡をし、あれよあれよと花見をすることになったそうです。

兄さんの好きな日本酒、兄さんの好きなつまみ。

ドンチャン騒ぎして、酒をあおり、涙を流し、兄さんの事をみんなで惜しんだとか。

太陽が沈み、あたりが静かになった頃、仲間達も酒に酔いつぶれ、アキラ君は友人一人(彼も兄さんに凄くお世話になっていた)と、桜を見ながら酒盛りをしていたそうです。

「月は巡り、また花は咲くのに、兄さんはもうおらんのやな」

「去年。兄さん、また来年も一緒に飲もって約束したのになぁ」

アキラ君はグラスに入れた日本酒を飲みながら兄さんに話しかけるように桜に話しかけたと言います。

友人に時間を聞かれ、アキラ君は下を向き、腕時計を見たそうです。

23:59。丁度デジタルの時計の数字が変わり、その時間を示しました。

ヒラリ。一枚の赤い花弁が二人の目の前に舞い落ちてきて、二人は驚き、桜を見上げたそうです。

薄い桃色だったはずの桜が真っ赤になり、咲き誇っているのが目に飛び込んできたと言います。

丸い満月、赤い桜。まるで異次元にでも迷い込んだ感覚に陥ったそうです。

「兄さん……」

二人は呟き、静かに桜を見つめ、涙をこぼしたそうです。

まるで悠久に思えた、とアキラ君は言っていました。

桜は直ぐに桃色に戻り、また静かに咲き誇った。何事も無かったように。

続く…。

怖い話投稿:ホラーテラー 胡蝶さん  

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