短編2
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誰よりもあなたを

「味噌一丁 醤油一丁」と叫んで 額の汗を拭った彼は

高田馬場に住んでいる お昼はここでアルバイト

彼の田舎は岡山の真ん中 実家は桃を栽培してる

家族構成は父・母・お祖母ちゃん 弟は大阪で会社員

プロのギタリストを目指して 東京に出てきたもうすぐ27歳

夢と希望だけで 何とか生きてる

ほらねえユウヤくん あなたは私のことを

何にも知らないけど でもでも

私はあなたのことなら 何でも知ってるのよ

他の誰よりも 愛してるの

もう少し もう少しで

私たちは一緒になれる 必ず一緒になれるわ

ねえユウヤくん ユウヤくん

ユウヤくん

昨夜も盛り上がってたみたいね 窓は閉めた方がいいと思う

近所の人に丸聞こえだよ 毎晩毎晩 お盛んね

そうだ写真を ポストに入れといたわ

私が撮った あなたの写真

この前みたいに 捨てないでよね

意地悪なんだから まったく

恋人の名前も知ってるわ もともとはあなたのバンドのファンだった娘

あんなチビの どこがいいのかしらね?

ほらねえユウヤくん あなたは私のことを

何にも知らないけど でもでも

私はあなたのことなら 何でも知ってるのよ

他の誰よりも 愛してるの

ほらねえユウヤくん あなたは私のことを

何にも知らないけど でもでも 私はあなたの側に

どんな時でも居るのよ

頑張るあなたを 見つめてるの

もう少し もう少しで

私たちは一緒になれる 必ず一緒になれるわ

だからユウヤくん ユウヤくん

ユウヤくん

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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