私は、お酒は体質的に全く飲めないので夜遊び系趣味はディスコでアクション的に踊って楽しむ事です。日常生活とは違った自分を演出ができ、ギャラリーが盛り上がるムードがたまらなく好きなのです。
そんな折、ちょっと不可思議な体験をした事があったのでお話ししたいと思って書き込ませて頂きます。
あれは8年前の冬、「アクション的ダンス歓迎」の老舗のお店が閉店したので別な店に行ったけどどこも「振り付け・アクション等でのダンスはお断りします」とケチなとこばかり。辺りを徘徊してみたら、ある「スナック風ディスコ」があったのです。
大音量で音楽がかかってたので、「ディスコ」と思って店内へ入った。金曜日の夜だというのにお客さんはアベック一組のみだった。
「いらっしゃいませー!」と元気なママさん、そして陽気なDJのお兄さん、フロアレディーのお姉さんがいた。
私はママさんに「このお店では、アクション的に踊ったらダメなのですか?どこも踊らせてくれなくて...」と話し、ママさんは「どう踊ろうと自由なのにねー。ケチくさいとこ行ってたのかい?ウチのお店では、好きなだけ思う存分アクションバリバリで踊ってきなさい。」
私は閉店時間も聞いてみた。「特に決まってないよ。その場のムードによるわ。たっぷり踊らせてあげるわよ...」入店後とは裏腹に、ママさんの接客態度は薄ら笑みの不気味な感じに変わった。「まー、踊らせてくれればいいや」と思って特に気にしてはいなかった。
一組のアベックと私とで3人で30分位盛り上がって踊ってたところ、突然、音楽が止まった。
「折角来て頂いて申し訳ありませんが、プレイヤーの調子が悪く、レコードが回らないといった状態なので本日は閉店させていただきます。次回来店の際は入場料はサービスしますから。」と言っていた。30分踊っただけでもアベックと3人で盛り上がり、これまでの「ストレス」は解消できた。私は次の日、またその店に行った。
すると、店のドアには古びた「テナント募集中」のポスターが...
隣の居酒屋さんに「この辺りでスナックっぽいディスコが昨夜まで営業してたのに、潰れたんですか?」と聞いたら、居酒屋の店員は「そんなハズ無い。もう10年もテナント入ってないままだよ。あの店は借金が払えずじまいで取り立て屋が乗り込んで来て、3人とも殺されたんだ。俺ハッキリ覚えてるんだが昨日が丁度命日に当たる日だ。」
その時、背筋がゾクッとしました。
音楽が正常に流されててずっとあの店で踊ってたら私はどうなったであろうか?
「音楽が止まった」のは、きっと神様が私を救ってくれたのかも知れない。
あの日の夜踊ったディスコは一体、何だったのだろうか?
怖い話投稿:ホラーテラー ナンプレえいこさん
作者怖話