短編2
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見えてるだろ 続き

以前、【見えてるだろ】を投稿した者です。

あの日からも例の道を使っていましたが…何もありませんでした。今回の事は偶然なのでしょうか?

実体験なので、オチが無くても大丈夫な方だけどうぞ。

母が交通事故に合いました。私は、実家を出て一人暮らしをしている為に久しぶりの帰省のきっかけとなり、一昨日…実家に帰ってきたのです。

母の事故自体は大した事がなく、一泊の観察入院で済みました。

母が運び込まれた病院に到着したのが夕方、手続きやら支度が全て終わった事…外は既に真っ暗になっていました。

面会時間も終了し、今夜は実家に泊まりなさい、と母から鍵を預かり…あの道を通って帰ろうと最寄り駅から歩いていた時の事です。

夜だった事もあり、下向き加減で歩いていました。

タッタッタッ

前方から足音が聞こえてきます。その足音は小走りで徐々に私に近付いているようでした。

~~♪

何を歌っているのかは分かりませんが、どうやら鼻歌も口ずさんでいます。

私は、思わず顔を上げてしまいました…。

アイツです。

勿論、その日は晴れていました。ですが、以前と変わらず赤いレインコートを着ています。

以前と違うのは…後ろ向きで走っている事。しかも、太ももを90℃ぐらいまで持ち上げ腕も激しく左右に揺れていました。

悲鳴をあげそうになりましたが、なんとか堪え先程と同じく下を向いて気付いてないフリをしようと足を動かしました。

~~~…か♪~~のか~♪

声も近付く度に大きくなり、すれ違う瞬間…はっきり聞こえました。

見 え て る の か

と。

心臓の音がアイツにバレてしまうんじゃないかというぐらいに大きくなり、体中から血の気がひきました。

ですが、すれ違った後は何も聞こえず静かな道に戻った…と思った瞬間…

気付いてしまいました、アイツが通った側の髪の毛が異常に長い事に。

私の髪の毛の長さは肩までぐらいで、俯いたとしても腰ぐらいまである訳がありません。

…アイツが覗き込もうとしている。そう思いました。

髪の毛が徐々に地面へ近付いてきています。

正直…失神しそうでした。

それでも何とか歩き続け、人家の前まで来た時髪の毛が視界から無くなっていったのです。

助かった!

目尻に涙が浮かんでいるのが分かりました。顔を上げ、その道を抜ける直前…

お前、見えてるだろー

またあの叫び声でした。

もう何が何だか分からず、そこからは走って家に向かいました。

次の日、母にその話をしても以前と同じで【あの辺でそんな話を聞いた事がない】でした。

それでも、お祓いに行く?と言われましたがあの道以外で遭遇した事も無いですし…私に憑いている訳ではないと思うのですが…。

流石に、もうあの道は使用しません。

拙い文を最後までありがとうございます。

怖い話投稿:ホラーテラー ころっけさん   

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