幼稚園の頃、当日の遊びといえば鬼ごっこで、この日も友達10人程で園内を走り回っていました。
鬼ごっこが始まり数分後、足の遅い私はさっそく鬼です。
そんな私が懸命に追いかけたのは、足の速いみずくんでした。
みずくんは余裕な様子で、階段の踊り場まで行くとクルクル回って私をからかっていました。
しかし次の瞬間、バランスを崩したのか、みずくんは一気に階段の下まで転がり落ちていきました。
私がみずくんの元へ駆け寄りアタフタしていると、一緒に遊んでいた友達や先生が騒ぎを聞き付け集まってきました。
先生に必死に状況を説明しながらも、私はみずくんが気になりチラチラと様子を伺っていました。
みずくんは頭から酷く出血しており、それを先生は濡れタオルで拭いています。
次の瞬間、血が拭われ現わになった、みずくんのパックリと裂けた後頭部に私の目は釘付けになりました。
割れ目からは、何やらプルプルしたような透き通るように白いものが見えていました。
恐らく頭蓋骨だったのでしょうが、幼い私はそれを脳みそだと認識しました。
この時の私は、
みずくん脳みそ見ちゃってごめんなさい(?)
というよく分からない罪悪感と
みずくんが死んじゃたらどうしよう、やだ!
という恐怖感で押し潰されそうでした。
入院し、頭を何針も縫う大怪我でしたが、幸いにもその後みずくんは何の後遺症もなく無事退院することができました。
しかし、あのみずくんの脳みそ(頭蓋骨)だけは未だに私の脳裏に焼き付いており、トラウマとなっています。。。
特に、初めて見た時、真っ先にそれを思い出してしまった程に似ているライチは今だにどうしても食べられません。
気持ち悪い、とかではなく、あの時の罪悪感や恐怖感を思い出し、なんだか胸が苦しくなってしまうからです。。。
先日、そんな私が友人の家で食べたのはライチゼリーだったようです。
みずくん、脳みそ、食べちゃってごめんなさい、ごめんなさい。。。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話