中編3
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イタズラ

一晩寝てリフレッシュ! 反省しました。みんなごめん。俺もこのサイトを支えるぜ!

その女性は幾度となく死にかけたことがある

普通の人間なら死んでいるのだが、なぜか彼女は毎回必ず助かるのである。

全て事故なのであるが、その起こり方があり得ないのである。

例を出そう。

彼女は風邪をひいてうがい薬を買ってきた。

さっそく家に帰って一口。

しかし、どうしても液体がのどで止まらず肺に入っていこうとするのだ。

まるで力を持っているようだ。

呼吸困難で気を失う。

だが、決まって目覚めれば病院のベッドの上なのだ。

医師の「あなた普通なら死んでたよ。」も何度聞いたことか。

いつも知らない誰かが救急車を呼んでいるのだ。

だれが救急車を呼んだのか聞くと、老若男女様々だった。

しかも知らない人。

またあるときは、線路を歩いて渡っていた時、靴がレールにはまってしまった。

もちろん、足を縦に進めていればはまることはない。

周りの人が気付いてくれて引っ張ってくれるが全く取れない。

「もうだめだ!!」

自分が見えていないのか、スピードを落とさない列車は弾丸のごとく迫ってくる。

助けてくれていた人は一斉に逃げだし、独りで死ぬことを覚悟した。

「キャァァァァーーーーー!!」

みんな目を塞いだ。

悪魔が宿ったようなその列車は彼女を難なく突いた。

見たことがあるだろうか、血しぶきでできた虹を。

それでもまだ足元が外れないのだ。

緊急停止ボタンを何度も押す人もいた。

残念なことにこの時点で彼女には意識があった。

つまりまた痛みを感じなければならない。

2つの列車。

今度は上から万力が来たかのようにすり潰された。

このときやっと足が外れた。

猛烈な痛みから逃げるように気絶する。

目覚めると当然ベッドの上で、医師の「あなた普通なら死んでたよ。」があった。

もちろん誰が救急車を呼んだか分からない。

こんなことが傷が治ってしばらくすると必ずある。

「これ何なの?」

彼女には何も分からない。

考えようもない。

これを見て楽しんでいる奴がいるのか。

普通の人生を送りたい。

実を言うと今までに神社などに行って悪魔払いなんかもしてきた。

間違って守護神とか払ったんじゃないの?

完全に参っていた。

「こうなったら…。」

彼女は精神病棟の隔離部屋に入ることにした。

どんな部屋かというと、当然個室でそこそこ広く、壁全体がクッションになっており、防音効果もあるという。

監視カメラも付いている。

部屋の中には何もない。

係員が食事を持って訪れるだけだ。

「とりあえずここで生きておこう。何か解決策が浮かぶかも。」

長期戦を覚悟したが、とにかく今は事故にあう不安から逃れたかった。

何もなく5年が過ぎた。

蛍光灯の冷たい光を浴び続けた。

もう彼女が外に出るのが怖くなっていた。

ここが唯一の地上の楽園となったのだ。

ここで死ぬのは嫌だが、あの痛みは味わいたくない。

床は潮吹きした汁で薄汚れていたが大したことじゃなかった。

静かな空間の中で「ゴンッ!」という音が響き、そして空気を吸い出す音が聞こえた。

そうこの個室には窓がなく、空気の入れ替えは別の機械で行われているのだ。

「うそでしょ…。」

真っ青になった。

こんな急にやってくるなんて。

係員が入ってくるドアを死に物狂いで叩いた。

不幸なことに誰も監視カメラを見ていない。

体は青ざめ、目は真っ赤になっていく。

人は空気がなければ生きられない。

「じゃあ、今度はほんとに…。」

死を覚悟した。

ジタバタする力もなくなってきた。

そして闇の深くに眠った。

…。

薬の香り。

いろんな金属音。

ベッドの上だった。

「あなた普通なら死んでたよ。」

怖い話投稿:ホラーテラー 新tkさん  

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