中編3
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さっきあった話

初めて投稿します。

皆さんの話に比べて大した話でもなく、多分そんなに怖くありません。

ただ、今までそんな体験も無い私には衝撃的でしたので報告します。

本当についさっきの出来事なんですが

都内の飯○橋から日○橋への外回りからの帰りの話です。

飯○橋から地下鉄に乗った私は、ホラテラを携帯で読みつつ移動していました。

平日昼頃の地下鉄は人も疎らで、座りながら2、3話ほど読んで軽いゾクゾク感を楽しんでいました。

日○橋に着き、電車を降りても、あいかわらず携帯片手に話を読みながら歩き、(エレベータの怪という話です)出口に向かおうとしていました。

その時ふと背中に寒気に似た視線を感じ振り向きました。

後ろにはサラリーマン風の男性が並んで3人歩いており、多分全員知り合いなのでしょう、3人はお互いの肩がぶつかる位の近い距離で並んで歩いています。

しかし会話している様子も無く、視線を前に向けたまま黙々と私の後ろを歩いているようでした。

恐話で恐怖に敏感になっていたのでしょう、私は内心

「ビビらせるなよ」

と心で苦笑しつつ続きを読み始めました。

日○橋の駅といえば、皆さんは人の多い光景を思い浮かべるかも知れませんが、私の使っている出口は駅の端の方にある人気の少ない出口です。

そこの出口にたどり着くまでには、改札を出てから階段が3つあるのですが、2つ目の階段を上りきる頃には、周りに人気が無くなっていました。

ずっと携帯でサイトを読みながら、最後の階段までの20m程の通路を歩いている時に、突然背中に先ほどよりも強烈な寒気を感じました。

慌てて振り向くと、サラリーマン3人が先ほどと同じように私の後ろを目も合わさずに淡々と歩いているだけです。

しかし寒気を感じた私の体は急激な異常をきたしていました。

吹き出る脂汗。

鉛のように重くなる体。

意識が遠のくような感覚。

急性の貧血にでもなったのでしょうか、普通ならしゃがみこんでしまいそうな状況です。

しかし私が考えていたのは正反対の事でした。

何故かは全く分かりませんが

「とにかくこの地下から地上に出ないと駄目だ」

という強迫観念に近い思考が頭に満ちていて、足を止めて休む事など一片も考えられませんでした。

今思うと何か危険を察知した本能的なものだったのかも知れません。

油汗が滴り落ちる中、何とか沼地を歩いているように足を引きずりながら最後の階段の前まできました。

今の私にとって高々20段程度のその階段は山脈のようにそそり立っており、私の意志を打ち砕くのに充分なものです。

もう倒れこむしかないと、途切れそうな意識の中で思いつつふと後ろを見ると

3人のサラリーマンがニヤニヤしながら並んで足を止めて私を見ています。

どんどん混濁してゆく意識の中、恐怖で頭の中は大混乱していましたが、これはとにかく足を動かさないと駄目だと思い、一段一段階段を上り始めました。

一段上がる度に体が重くなり、まともに前を向く事すらできません。

途切れそうな意識の中、うなだれた私の視界の端には

ニヤニヤ

ニヤニヤ

ニヤニヤ

三人が階段を占拠するように並んで、4段ほど後ろにいるのが見えました。

理解不能な恐怖を感じながら、一段また一段と上って行く内に、明らかに3人との段差が縮まってきていました。

さっきは4段くらい離れていたのが

3段下に

2段下に

真後ろの一段下にある彼らの足が私の視界に大きく入っています。

もう彼らの表情は全く見る事ができません。

早く逃げ出したい衝動に駆られても、体の自由は全くきかず、ただ恐怖に耐えながら階段を必死に上りました。

階段の半ばを過ぎ、ふと太陽の日差しが階段まで差し込んでいるのを感じました。

その途端、急激に体から全ての不調が抜けていったのです。

気持ちはとにかく逃げようと必死だったために、心と体のバランスが取れずに半分転がるように残りの階段を駆け上がりました。

いきなり地下鉄入り口から飛び出てきた私を怪訝そうに見る人達を無視して、慄きながら階段を振り返ると、薄暗い階段を背中を向け下りてゆく三人の姿が見えました。

最初見たときと同じように並びながら降りてゆく姿が・・・

一体何だったのでしょう。

わかっているのは、私はもう二度とあの出口は使わないという事だけです。

怖い話投稿:ホラーテラー サラリーマンさん  

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