短編2
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平家の墓

鹿児島県には平家の墓が沢山ある。

全国各地にある平家の墓の大多数が源氏からの追っ手を騙す為の偽物であると言われているが俺の地元鹿児島県の奄美大島には「平」姓を持つ方が沢山いる

うちの近所にも平家の墓があり神社になっている

高校夏休み、友人達と4人で俺の自宅で遊んでいたが深夜暇だったので肝試しに行く事になりその神社に向かった

時間は深夜01:40頃だったと思う。

山の入り口に階段があり、途中に赤い社がある

深夜02:00~03:00の1時間の間は社に手で触れてはいけないと小さい頃から言われてたので念のため触れずに社をくぐり抜け神社の本社の前に着いた

何か起きないかとしばらく皆で待ってみたが何も起きず、ならば更に山の上、平家のお墓に行く事になった

暗い山道を前に友人達と横一列になり、月明かりも木々に覆われ異様な暗闇に包まれている山道を見つめ目が慣れるのを待った

俺はある事に気が付いた。

暗い道の先、カーブしてるとこの闇がうごめいて見える

行く?って聞いてくる彼女にちょと待ってと言い目を凝らすと赤い光のようなものが見えた

ね、赤い光あるよね?

俺は皆に聞くが誰も見えない

するとカーブしてるとこから更にうごめく暗闇が出てくる。それと同時に赤い光が横に動きもう一つ赤い光が現れた

ん?周囲を確認し光の反射ではない事を確認する

友人達が先に進もうと前に踏み出そうとしたのを左腕で制止する

なぜなら、赤い光は目、うごめく暗闇は体の化け物のよう見えるからだ

えっ?こんな幽霊居るの?と思いながら見てると、ゆっくり這うように近づいて来るように見える

低い音にもならない声?風?が耳を刺激する。

ヤバい!

そう思いまばたきした瞬間そのうごめく暗闇の横に白い霧が見える

またまばたきすると今度は白い人型に見え、うごめく何かを止めるように前に立ち動かない

またまばたきすると今度は俺のすぐ目の前に左手を見せ来るなという姿勢の白い人が居る

煙草の煙りか?月明かりの光の影響か?と手で目の前の者を払おうとするが払えない

その俺の姿を見て怖がる友人達に気付き、すぐに山を降りた。階段を下りきるとチリーンと、鈴の音が聞こえた

形にならない霊は強い憎しみや怨みを持つと聞く

その墓には死後も墓の主を守る為に横に墓守として家来の墓が作られたと聞いた時、家来の方に感謝しました。

怖い話投稿:ホラーテラー ケンムン さん  

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