短編2
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この話は、去年の夏に警察官のおじさんから聞いた話です。

私の故郷は愛知県の小さな街で、最近街から少し離れた山間の県道で変な事故が連続して起こっているらしいのです。

夜間に車で走っていると、後部席にいつの間にか、着物姿の女の子が坐っているそうです。

歳は十歳くらい、化粧をして、お人形みたいな少女だそうです。

ドライバーは突然の少女の出現に恐怖で震えあがってしまう反面、その美しさに魅了され、何度もバックミラーをみてしまうのだそうです。

女の子と目が合うと、こういうといいます。

「私の唄をきいて…」

大抵のドライバーは車を止めて逃げ出すそうですが、なかには少女の美しさに魅せられて、唄を聞いてしまおうとする人もいるそうです。

すると女の子は静かに唄を歌いはじめるそうです。

唄を聞いたドライバーは運転中のことを忘れ、車ごと山壁に激突したり、谷底に落ちてしまったりするそうです。

このような事故はすでに三十件を越えたそうです。

なかには一命をとりとめた人もいるそうですが、どのドライバーも脳にひどい損傷を受け植物状態になってしまったりと、

詳しく証言できる人はひとりもいないとのことです。

それにしても、その女の子の正体は一体。

街ではどけからともなく、女の子の唄はこんな歌詞だったという噂が流れたそうです。

歌詞を紹介する前に、皆さんに教えておかなければならないことがあります。

私は歌詞を聞いて数日後、事故りました。

友人もそうです。

歌詞を聞いたせいかは、私にはわかりません。

ただこれだけはいっておきたいと思います。

読んだ方はくれぐれも事故には気をつけて下さい。

できればあまり外出しないほうがいいと思います。

女の子の唄は、このような歌詞だそうです。

(ひとりぼっちの山はさびしかろ、あそび相手がいないから

ふたりぼっちの山はたのしかろ、あそび相手がふえたから

あそんだ夜はかなしかろ、またひとりぼっちにもどるから……)

怖い話投稿:ホラーテラー 稲川順一さん  

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