ーネットユーザーの戦いー3

長編8
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ーネットユーザーの戦いー3

俺は高速を走っていた。

右車線を走行していた車が俺の車を追い抜こうとし、真横に並んだまさにその時だった。

その車の後部座席から女の子が俺に何かを叫んでいるのが見えた。

どちらも窓を閉めている為、何を言っているのかわからないし、仮に開いていたとしても走行音で声はかき消されてしまうだろう。

俺が突然の出来事に困惑していると、運転席の男が女の子に何かを突き付けた。

それは拳銃だった。

俺は目の前の光景が信じられない。

誘拐か?

男はバックミラーで女の子を確認しながら拳銃を突き付け、運転している。

そして男は何か喋っているようだ。

恐らく女の子を脅しているのだろう。

間違いなく誘拐だ。

その車は俺を追い抜いて行った。

「やばい!助けてやらないと!」

そう思った俺は女の子の乗った車を追いかける事に。

そして車の助手席に積んであったPCを膝に乗せ、電源を入れて、ある大型BBSにアクセスした。

2ちゃんねるだ。

俺は2ちゃんねら~と呼ばれる2ちゃんねる住民に協力を呼びかけた。

すると多数のレスが書き込まれた。

 

「協力するお!」

「場所は?」

「女の子を助けるお!」

「犯人と戦闘になるかも知れないから大量の武器を持っていくお!!」

「僕も大型トラックに大量の武器を積んでいくよ!」

俺はレスした全員に現在走行している場所を伝えPCを

閉じた。

数分後。

さっきの車がサービスエリアに入り、車の少ない場所に停車した。

俺もサービスエリアに入り、その車とかなり距離を置いて停車。

男は鍵をかけて店に入っていった。

車からおりた俺は、女の子の所へと急いだ。

「大丈夫かい!?」

「助けて!」

「今助けてあげるからね。窓から離れてて」

そう言って俺は、車の窓ガラスを割った。

そこから女の子を救出。

「お兄ちゃんありがとう」

「うんいいよ。それより早く逃げるよ」

そう言って女の子の手を引き、俺の車へと走る。

その時だった。

男が店から出てきて、俺達に気がついた。

やばい!!

男が拳銃を手に取り、撃ってきた。

バン!バン!

弾丸が俺達ギリギリを通過していくのを感じる。

俺は女の子をかばうように車にたどり着くと、急いで乗り込んだ。

バリ!

弾丸がフロントガラスに当たり、穴が空いた。

キュキュキュキュ!!

急いで車を出す俺。

バン!バン!

危ねぇえ!

やっとの思いでサービスエリアから高速に戻った。

「君危なかったね。怪我はない?」

「うん。ありがとう。」

女の子は泣いていた。

「よかった」

その時だった。

バックミラーを見た

俺の目に、男の車が映り込んだ。

追って来ている。

男が拳銃をこちらに向けた。

「伏せろ!」

バン!バン!

バリ!

男が再び撃ってきた。

やばいな!

俺は再びPCを開き、2ちゃんねるにアクセスした。

「女の子は隙を

見つけて助けた。

今犯人の車に追われて銃撃を受けている」

そう書き込んだ。

「もうすぐ着くお!」

「お前の車もう見えてる」

「車ハケーンW」

俺は安心して、PCを閉じた。

その時だった。

一台の大型トラックが俺の車を追い抜いた。

大型トラックのコンテナの後ろの扉が開く。

中には大型機関銃が搭載されていた。

間違いない。

2ちゃんねら~だ。

コンテナに乗っていた男性が機関銃の引き金を引いた。

ドガガガガガガガガ

弾丸は俺の車の上を通過し、後ろの犯人の車に直撃する。

バリバラバリパリーン

さらに別の車からもマシンガンが顔を出し、犯人の車に向かい銃撃を開始した。

俺の周りの車のほとんどから銃が顔を出した。

10台くらいはいるだろうか。

犯人も必死で応戦している。

パリーン

バリバリバリ

ドガガガガガガガガ

120キロというスピードの世界で激しいカーチェイスが始まった。

犯人の車はボロボロだ。

大型トラックのコンテナから機関銃を

撃っていた男性は撃つのをやめ、奥からミサイルを運んできた。

まじかよ!!

男性はミサイル発射台のスコープらしき物で犯人の車に狙いを

定め、発射。

ドゴォォォオオオ

犯人の車は大爆発し木っ端みじんになった。

俺の周りの2ちゃんねら~達は大喜びしている。

「ごめんよ怖い思いさせて。もう大丈夫だお!

・・・しまった!

また語尾に「お」

を付けてしまった。

昔は2ちゃんねるの影響で、ネットでも現実でも語尾に「お」を付けていたのだが、さすがに恥ずかしくなり、現実では使わないでおこうと努力した。

その結果、現実では使わなくなった。

だが、また使ってしまった。

周りに2ちゃんねら~がいるからだろうか。

「ありがとうお兄ちゃん」

俺は少し照れた。

だがその時だった。

再び大型トラックの男性が機関銃を撃ち始めた。

バックミラーを見ると、一台の

超大型トラックが走って来ているのが見える。

前を走っている2ちゃんねら~の大型トラックよりもでかい。

他の2ちゃんねら~達も銃撃を開始した。

だがなぜかみんな焦っている。

なんだろう?

再びバックミラーを見る。

そこで皆が焦っている理由がわかった。

銃撃を浴びているにも関わらず、超大型トラックはまるでダメージを受けていないのだ。

そう。

超大型トラックは鋼鉄よりも遥かに高い硬度を有する、超合金で作られていたのだ。

さらにガラスはダイヤモンドを主成分とした防弾ガラスであり、銃弾では傷が付くだけ。

そのガラスが2重になっているのだ。

そして弱点である

タイヤは、超合金の板で守られていて、タイヤを目で見る事はできない。

その超大型トラックが、側面に搭載されている105ミリ砲を2ちゃんねら~達に乱射してきていたのだ。

そう、超大型トラックは犯人の仲間だったのだ。

恐らく犯人が助けを求めたのだろう。

105ミリ砲の弾丸が、ずっと前を走っていた関係のない燃料を積んだ大型トラックのタンクに当たった。

ピカ!

一瞬視界がものすごい光で覆われ、思わず目を閉じた。

ドォガアアアァァァァン

ものすごい爆音と共に、一気に炎が空高く立ち上った。

その燃料トラックの周りを走っていた車は爆発で吹き飛ばされた。

俺達はその炎の中を通過する。

熱!

「熱いよー。」

「ごめんな我慢してくれ。」

超大型トラックはさらに撃ってきた。

ガン!

弾丸が俺の車の後部に当たる。

2ちゃんねら~の大型トラックの弾丸がミサイルを再び発射した。

ミサイルは超大型トラックのコンテナに直撃。

ドォガァァン

だが少し凹んだだけだ。

これはやばい。

その時。

一人の2ちゃんねら~が俺の車の隣まで来て、言った。

「この先に大きな橋がある!他の2ちゃんねら~がその橋をミサイルで落とすそうだ。奴を倒すにはその橋から転落させるしかない。」

これは大変な事になった。

「よしわかった。ありがとう。他の2ちゃんねら~はこのことを知ってあるのかお?」

また語尾に「お」

だが今そんな事はどうでもいい。

「もちろん知っている。お前まで落ちるなよ」

そう言ってその2ちゃんねら~は再び戦闘を開始。

俺はカーナビで橋の位置を確認した。

約20キロ先だ。

もうすぐだ。

と、ドラマでよく見る黒い車が俺達を追い抜いた。

警察の特殊部隊である。

その車が3台姿を現した。

だがその時。

特殊部隊の車の一台がタイヤに105ミリ砲を受け、横転した。

横転した車が一番前を走っていた為、他の2台の特殊部隊の車も、巻き沿いをくらい、事故を起こし、横転した。

それでも俺達は走り続けた。

上空には多数のヘリが飛んでいる。

テレビ中継や、警察のヘリだろう。

犯人の仲間はまだまだ銃撃をしかけてくる。

他の2ちゃんねら~達も負けずに戦っている。

俺の今の役目は女の子を守る事。

何が何でも守らないと。

その時だった。

前方に巨大な橋が見えた。

あれだ。

再びさっきの2ちゃんねら~が車を横付けし、こう言った。

「今から橋を落としてもらう!気をつけろよ。橋が落ちたらブレーキをかけろ。じゃあまかせたぞ。女の子に怪我のないようにな。そしてお前自身も。」

そう言って男性は携帯を取り出し、連絡を取り始めた。

「俺だが、もうすぐだ。落としてくれ!」

俺達は橋に突入した。

もうすぐ橋の真ん中だという時だった。

キーーーーーーーン

耳を裂くような音が聞こえてきた。

その方向を見る。

戦闘機が橋に向かってきている。

アメリカ空軍のF22ラプターだ。

そして戦闘機はミサイルを発射した。

ドゴォォォォォ

ドガアアアアアアァァァァン

橋の真ん中が破壊され落とされた。

俺はブレーキをかける。

他の2ちゃんねら~達もブレーキをかけた。

橋の切れ目の向こう側では急ブレーキをかけた車が大量に事故を起こしている。

観光バスが横転しているのも見える。

俺達は皆橋の切れ目ギリギリで停車。

その直後、俺達の頭上を戦闘機がマッハ3で飛行していった。

犯人の仲間の車はブレーキをかけているようだが、あまりの重量にブレーキが利かないようだ。

そしてそのまま橋の切れ目から転落していった。

その瞬間、BGMが流れた。

パパパパーンパーンパーンパッパパーン

FFの戦闘勝利のBGMだ。

犯人グループを倒した。

全員100000の経験値をもらった。

戦闘機パイロット、女の子を含め全員レベルが1上がった。

俺には女の子を助けて守った特別ポイントとして、女子モテポイントが100与えられた。

俺達は全員車からおりて抱き合い喜びあった。

女の子は怖い目にあったに元気そうにしている。

俺達が喜びあっているのを見て元気がでたみたいだ。

女の子に笑顔が戻った。

「よかったお!」

「お兄ちゃんの事忘れないよ!本当にありがとう。」

俺はまたしても照れてしまった。

人から感謝されるなんて久しぶりだ。

生きてるって素晴らしいな。

俺は幸せ一杯だった。

今回の件で俺達は警察から厳重な注意を受けた。

しかし女の子を助け勇気を讃えられ、賞を頂いた。

さらに女の子の両親からは本当に感謝された。

俺はあの時一緒に戦った2ちゃんねら~達と

大の仲良しになり、今ではそのメンバーと2ちゃんねるで仲良く話しをしている。

女の子は元気にしているかな。

あの時の経験は女の子にとっては忘れられないだろうけど、きっと女の子が生きていく上で役に立つ時がくるはずだ。

最近女の子の両親から連絡があり、「家の娘が、あなたに憧れて人を助ける仕事がしたいと言っているんです。あなたのおかげです。」という話を聞かされた。

何事にも意味がある。

俺はそう思う。

だってあの時の出来事がきっかけで女の子は夢を持てたのだから。

怖い話投稿:ホラーテラー 黒猫さん  

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