私の小さい頃の話です。
何故かふと思い出したので記します。
私の祖父の家は関西地方の結構都会で、その日は三連休かなにかで実家に帰っていました。
ちなみに当時私が住んでいた所は田舎なので、帰省した時は都会の雰囲気にワクワクしたものでした。
電車で街中を移動しながら玩具や漫画を買ってもらい、かなり上機嫌な帰り道のことでした。
前方から一組の三人の家族が歩いてきました。
その家族はとても楽しそうに、笑顔で会話してました。
その家族とすれ違うと更に、私と同い年くらいの一人の男の子が目に入りました。
両手にはその体には少し大きすぎる紙袋。
前方を歩く家族は皆手ぶら。
必死に前方を歩く三人を追いかけているように見えました。
私達家族の会話は止まり、妹は不思議そうに男の子の方を振り返ってじっと眺めていました。
さっきまでの浮かれた気分は一瞬でなくなり、あの男の子と三人は他人なんだと言い聞かせながらも、とてもやるせない気持ちになったのを覚えています。
出来れば思い出したくなかった思い出でした。
怖い話投稿:ホラーテラー ペンジュラムさん
作者怖話