短編2
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細工

ある家庭が崩壊した。

祖父と祖母が相次いで急死し、

母親は酔払い運転に撥ねられ、

一人娘は変質者に絞殺され、

最後に残された父親は首を吊った。

誰もいなくなった家に、

整理をするために数人の親族が訪れた。

短期間のうちに住人を無くしたためか、

新築の家の中は閑散としているが、

どこか人の気配が残ったままだった。

個々の部屋を片付け、

残すはリビングだけとなった。

リビングには数点の絵画を始め、

主人のコレクションが残されていた。

整理の最中親族の一人が、

暖炉の上からコレクションを1つ落として、

壊してしまった。

それはマッチ棒や木の端材を、

寄せ集めて作られた細工であった。

床に落ちた細工から、

くすんだ木の破片が床に散乱した。

面倒だなとかがんだ親族の1人が、

妙なことに気づいた。

細工は小さな小屋の形をしていて、

砕けた拍子に中空になった内部が露になったのだが、

その内部が妙に黒い。

よく見ると散乱したパーツも、

細工の内側を向いていたと思われる部分は黒い。

何か文字が墨で書かれているようだが、

端材であるため切れており、

よく読めない。

もう1人の親族が、

ハッとしたように言った。

「お前これ、卒塔婆を切ったんやないか・・・?」

親族達は主人から聞かされていた。

見事なもんだろ、

友人が作ってくれたんだよ、

まあそいつは、経営難で自殺したけどね。

この家を建ててる頃だったから、

金は貸さなかったし・・・

暖炉の上にはまだ何個かの細工が、

静かに佇んでいる。

まさか、これらの中にも――――

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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