短編1
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人の想い

何年か前だか、祖母が亡くなった。

当時、僕と母と祖母の3人暮らし。

かなり厳しい人だったんだけど、その分強く、真っ直ぐな人だったよ。

そんな祖母が亡くなった事実はにわかに信じがたかったのを覚えている。

そんな中、僕らには頼りに出来る親戚がいないので葬式は密葬で静かに行われた。

詳しくはよくわからないんだけど、祖母の人生は色々とあったらしい。

それでも人はこんなにも呆気なく、静かに、誰にも知られず死んでいくものかと思い、何か言い知れない気持ちが悲しみと共に込み上げていたことは忘れられないな。

密葬も終わり、祖母の持ち物を母と整理していた。

まぁ大した物は無かったからすぐに終わったんだけどね。

すると数少ない物の中から祖母の大切にしていた時計が見つかった。

壊れているのか動いていなかったが、最近見掛けなかったこともあり懐かしいなと思い出に耽っていると、

突然母が悲鳴の様な大きな声を上げた。

慌てて母にどうしたのか訪ねると、

母は声を震わせながら

「この時計、お祖母ちゃんが亡くなった時間で止まっている。」

と僕に言った。

偶然と言ってしまえばそれまでだけど、僕には何か不思議な力が感じられた。

物には大切にすると魂が籠るものなのかな。

その時計は祖母の仏壇の部屋に置いてある。

怖くなくて申し訳ない。

駄文に付き合って頂いたことに感謝します。

怖い話投稿:ホラーテラー ゆーさん  

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