初投稿です。少し眠れないので、半年程前の私が救われた夢の話です。
当時私は日本の会社を辞めて、海外で自分で商売を始めていました。飲食店でしたが、ほどなくして、立ち行かなくなって行きました。
自分の夢を追う事しか頭になく、無計画すぎた自分に腹が立つやら、嫁も含めて申し訳ない思いで、真剣に死ぬ事を考えていました。
そんな時には不思議と20年も前に死んだ父親や、海外に行く事をさんざん反対した母親の事が、頭に浮かんでいました。
その日も客は無く、店の中から道路を走る車を、虚ろな目で眺めながら、疲れからウトウトしていまっている様でした。
店の扉をガラガラと開ける音で、はっと我に返ると、そこに日本人の客が入って来ました。
自分の目を疑いましたが、その人は死んだ父親そっくりでした。半ばどうして良いか解らずにいると、焼酎と刺身を注文し、雑誌を手に取り、タバコに火をつけました。
それは昔父親が吸っていた、セブンスターでした。
ただ不思議と、その事を聞きてみる気にはなれず、ただゆっくりと2人きりの時間が流れて行きました。いつの間にか、店のスタッフの姿もなくなっている事も不思議に思いませんでした。
私は、今そこにいる父親と思われる人と、自分が同じくらいの年齢になり、自分も父親になっている事に、少しの恐怖と申し訳なさを感じていました。
そんな時に「親父さんちょっと話そうや」と言われました。父親に親父と呼ばれ、少しおかしい気持ちになりながら、ビールをおごってもらい、話を始めました。
身の上話から入ったのですが、知っている話と、そうでない話が、両方ありました。
自分が父親(祖父)の商売を継いだ事。でも本当は、違う夢も持っていた事。それを自分の力でやってみたかった事なんかを話てくれました。
一通り話終えて、タバコに火を付けるた様を見て、懐かしさがどうしようもなく込み上げて来た時、おあいそと言われました。
私は勘定の為レジに移動し、お金を受取り、お釣りを渡そうとしました。
すると「それはええよ、もうこれからは自由にやったらええ。あんたの想いで生きたらええ」そう言い、店を出ようとしました。
私は父親に置いて行かれる様な、激しい恐怖に似た感情におそわれ、追い掛けようとしていました。すると「まだ来るな。それだけは許さん」
その一喝でに返ると、私の目の前には、轟々と走る車が見えました。私は道路の目の前まで移動して来ていました。後ろでは娘が泣いていました。
その時に、店内で一緒にいたはずの娘の話では、私は青ざめた顔で、フラフラと店を出て行き、道路に向かって歩いて行ったそうです。
娘はただ事では無いと思い、パパと目一杯呼ぶと、私は我に返った様に立ち止まったと言う話でした。
駄文、長文申し訳ありませんでした。ただ無性に何処かに書きたかったのです。今日は親父の命日です。
怖い話投稿:ホラーテラー スープカレーさん
作者怖話