短編2
  • 表示切替
  • 使い方

橋で

10年位前の夏の事。

たいして面白くないと思うんだけど、不思議だったので書かせてもらいます。

確か23時くらいだったと思う。

花火しようという事になり、まだ大学にいる友人2人を拾う為に少し遠回りだが、とある橋を渡っていた。

その橋は中央分離帯は無いが、自転車や歩行者のスペースが広い。

橋の全長は500〜600mくらいかな。

私を含めて4人車に乗っていたんだけど、(大きい車だった)私は2列目のシートで左側に座っていた。

雑談をしながら、私は橋の照明とか夜空をなんとなく見ていたんだと思う。

橋の中程で、助手席に座っていたAと私が、(助手席はA、運転席はB、私の隣はCとします)同時に「うわっ!」「おい!」などの声をあげる。

「止めろ!」私とA叫ぶ。

左側の歩道から飛び込む人が見えたから。

車を寄せてもらい、少しバックして(幸い後ろには車がいなかった)私とAは急いで降りる。

柵に駆け寄り、下を見る。

…?

川面には波紋みたいなやつは見えない。

夜だから、見えづらいのを考慮したとしても照明も月も明るかったのに。

Aと私、顔を見合わせる。

そんな時、私の隣に同じ年くらいの女の子がいて、やっぱり川面を「あれ?!何で?!」みたいな事を言ってキョロキョロしている。

話しかける。

「人が飛び込みましたよね?」

女の子「私も見ました!」

どうやら、その女の子は彼氏と逆車線にいたらしく同じように車を止め、こっちに急いできたらしい。

彼氏来た。

「何なんだよ?俺見てないよ」

Aは警察を呼ぼうとしていたので携帯を握ったまま放心状態。

BとCは女の子の彼氏と「見てないよなぁ」などと話していたらしい。

私とA、女の子が気味悪がっていたら、通りすがりのオジさんが私達に話しかけてきた。

オジさんはカップルの車の後ろに車を付けていた。

「どうした?」オジさんが聞いてくる。

「人が飛び込むのが見えたから、すぐ車を止めて様子を見たが人も見えないし、水面も何もないし」

興奮気味にAがこんなような事を言っていた。

私も女の子も「私も見た!」とか興奮しながら同意する。

オジさんは、「多分それ、飛び込んでないな」と言う。

私達は「えっ?!」。

オジさん「たまに見えるらしいんだよ、何年か前に飛び込んだ人が出てから」

ゾッとする。

私達は無理矢理納得し、車に戻る事に。

B、C、女の子の彼氏が蚊帳の外っぽく私達を見る。

女の子「あのオジさんが教えてくれて良かったかも」

私「そうだよね、いや、やっぱ怖いけど」

A「オバケの方がマシじゃね?」などと話していた。

B、C、女の子の彼氏「オジさんて誰?」

私達「いたじゃん、今」

B、C、彼氏「いないし」

私達「車そこにあったじゃん」

B、C、彼氏「無いよ、そんな車。あったら気付くし、今いたら車動くのわかるだろ」

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

Concrete
コメント怖い
00
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ