今からの話は怖くはないのですが、私が体験した不思議で切なくなる話です。
私の中学時代の彼女(Sちゃん)はいわゆる『霊能者』で遠方からも彼女を頼りに人が集まってくるような子でした。
私も彼女と付き合うまでは霊の存在など信じていなかったのですが、ある日の帰り道で『K(私の名前)ちょっと待って。』と彼女が言うので『何かあったの?』と聞くと『いいもの見せてあげる』と私の背中に手をあてました。
すると今までは普通に見えていた夕暮れの景色がモノクロに変わり、私達の数メートル先に白くて丸いモノが浮かんでいたのです。私が不思議そうな表情をしたのを見た彼女が『それはそこにある祠に祀られている神様だよ。普段はいらっしゃらないんだけど今日は見えたから。』と言って私の背中から手を離すと景色は元に戻りました。
今までは信じていなかった存在を目の前で見せられ驚きましたが、彼女の不思議な力を自分の事のように誇らしく思うようになりました。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話