短編2
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テケテケの受難

ある所に、件の都市伝説が本当ならばもうすぐ魔法使いになろうかという、キモヲタがおりました。

キモヲタの悩みは、やはり、自分が童貞であるということ。

彼女いない歴29年11ヶ月の彼は、魔法使いになどどうでも良いから早く童貞を捨て去りたいと、日々願っていたのです。

手軽に脱童貞するなら、やはり風俗?

しかし、最初の相手くらいは、普通の女の子がいい。

金を払ってやるのではなく、ちゃんと出会って恋愛し、その末に経験したい。。。

キモヲタは日々、夜の街を歩きました。

もしや空から女の子が降って来て、恋愛関係になれるかもしれない、そんな妄想を膨らませながら。

しかし、そんな奇跡などある筈も無く、無為に彼の『深夜徘徊』は続いたのです。

と、そんなある夜のこと。

住宅街を歩いていた彼の耳に、ペタペタと背後から近付く、不思議な音が聞こえてきたのです。

何だろうと思い振り返る彼。するとそこには、奇妙な体勢をした、女子高生の姿がありました。

何故あの子は、地面に両手を付けているのだろう?

目を凝らし、女子高生を凝視する彼。

と、そこで初めて気付いたのです。

その女子高生には、下半身が無かったことに。

そう、彼女はかの都市伝説、『テケテケ』だったのです!

「あなたの足をちょうだい」

上半身だけの女子高生は言いました。

私には足が無いの、だからあなたの足をちょうだい、と。

そうして笑いながら、ペタペタと近付いて来るテケテケ。

そんなテケテケを、言葉を失い凝視する彼。

都市伝説の妖怪?とは言え、自分に近付いてくるのは、紛れも無い女子高生。

これまでどんな女子も、自分の半径5m以内に入ろうとしなかったのに、今、女子高生が僕の所に。

ゆっくりとだけど、確実に、リアル女子高生が今、僕の近くに。

走馬燈の様に蘇る、幼き頃からの想い出。

小中高と女子から嫌われ、気持ちが悪いと蔑まれ続けた、辛き日々。

しかし今、相手がテケテケとは言え、紛う方無き女子高生が僕の近くに!

が。。。

キモヲタはブルブルと震えながら、両拳を握りしめ、叫びました。

「下半身が無くちゃ意味ないじゃないかーっ!」

その一言に、テケテケは深く傷付いた。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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面白いやないかいッ( ・`ω・´)b

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