中編3
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妹か猫か・・・

はじめまして。長文&乱文ですがお手柔らかにどうぞ。

 私には妹がいました。私たちはどこにでもいる普通の姉妹でした。が、二人とも少し内向的で休みの日は自室で昼寝かネットで時間をつぶすような姉妹でした。

 

 そんなある土曜日。私が自室でネットをしていると一階の部屋から母の声がしました。

「ちょっと、○○と○○(私と妹の名)起きてる?買い物行くけどいく?!」

と突然の大声でした。

すると妹の部屋から

「みんな寝てるよ」

と声がしました。「あいつ。あたしが寝てると思ってる」と思い「起きてるよ!」と声を掛けるとそれきり妹は黙ってしまいました。

 きっと寝ぼけたんだろうと(少なくとも妹自身は寝ていたし)思いそれきりで終わりました。

 

 さて。それからしばらくして、突然妹は死にました。たった十九歳で妹は逝ってしまったのです。 

 

 病院のベットの遺体は本当にただ眠っているように見えました。

 

 私たちは悲しみ、重い空気で家がいっぱいになりました。妹の飼っていた猫も心なしか悲しそうに鳴いているのを見て

「ああ。この子は何も知らないんだ」

と思うとさらに涙がこぼれたのを覚えています。

 さて、それから二ヶ月がたったころでしょうか。家の中も少しづつ明るさを取り戻し、妹にしか懐かなかった猫は私の部屋に出入りし餌を求めて甘えるようになりました。

 ある日の土曜日。相変らず怠け者の私は昼寝をしていました。

 すると、一階から母の声がしました。

「ちょっと○○!起きてる?買い物いくけどあんたいく?!」

 相変らずの大声です。私は寝ぼけた頭で

「ああい」

と返事をするとまた眠りかけました。

「みんな寝てるよ」

それは、妹の部屋から確かに聞こえたのです。

 女の声でした。それに妹の声に似ていました。私はあわてて向かいの妹の部屋に駆け込みました。

 

 妹の部屋は妹が生きていたときのままにしてあり、ベッドの上には妹の猫が眠そうな目でこちらを見ました。

 

 私は血の気が引きました。あわてて、家族に話しても信じてもらえず「寝ぼけた私が妹の声を聞いた話」としてたまに思い出したようにからかわれました。

 

 さて、それからさらに二ヶ月。今度はその猫が死にました。何のことはありません。猫にありがちな事故でした。

 

 怪我はたいしたことがなかったのですが、齢十四歳と高齢だったためその怪我が元で眠るように死んでしまいました。

 

 怪談話の好きな私はきっと家の年寄り猫は化け猫だか猫又になり、返事を返したのではないかと思いました。

 

 きっと妹のまねをして「眠たいんだよ!」と返事を返したのだと勝手に解釈をしてたまに思い出して笑っておりました。  

 でも。土曜日の今日。聞いてしまったんです。

まったく同じ状況で

「みんな寝てるよ」

 妹の部屋に何がいるのか。私にはわかりません。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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