短編2
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幼い子供の霊

私がまだ10代の頃の話です。

父親の転勤で伊丹市のとある一軒家の借家に引越しました。

その借家に引越してすぐに異変が起きました。

廊下を走る音や、階段を上り下りする音、物が勝手に動いたり、そして家族全員が5才くらいの女の子の幽霊を目撃しました。

私は、その女の子に髪の毛を引っ張られたり、背中を叩かれて振り返ると女の子が恨めしげに私を見上げていたりという事が、たびたび起こりました。

引越して間もないのに、私達家族は困り果てました。

私の母は、こうゆう事に詳しい知人に相談したところ、知人から淡路島に住んでいる一人の霊能者を紹介され、その霊能者の方に家に来ていただいて霊視してもらいました。

その霊能者の方の話では、その霊は病気で亡くなった5才の女の子で、前の住人の娘さんでした。

恐らく前の住人の方は、娘さんを亡くされてからは、娘との思い出の詰まったこの家に住み続けるのが辛かったのでしょう。他に引越しましたが、そんな事情を知らない女の子の霊が、病院から家に帰って来たら両親はおらず空き家になっており、今でも家の中で両親を探しているそうで、そこに知らない私達家族が引越してきたから驚いて、そして怒っているそうです。

霊能者の方の話では、このままでは女の子は悪霊になるそうなので私達は、女の子の供養をお願いしました。

供養してからは、女の子の霊は私達の前に現れることはなくなりました。

別の話ですが、霊感の強い義兄が、深夜に家の近所にある幼稚園の前を車で通ったら幼稚園の真っ暗な教室の中から園児が一人淋しげに外を眺めていたそうで、一目見て生きた人間ではないのがわかったそうです。(その幼稚園では園児の幽霊が出るので有名だそうです。)その園児の霊は、どのようにして亡くなったのかは分かりませんが、おそらく幼稚園が大好きで、死後も幼稚園に留まって他の園児達と遊んでいるのでしょう。

そして園児達が帰った後も幼稚園で一人園児達がやって来るのを待っているのでしょう。それとも、お母さんが迎えに来るのを待っているのでしょうか?

連休中の今でも、その園児の霊は一人で教室から外の景色を眺めながら誰かやって来るのを待っているのでしょうね。

悲しいですね。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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