中編6
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本当は怖いグリム童話

初めて投稿するので読みにくい点が多いと思います。

つまらない方は素直におっしゃって下さい。

では、始めます。

この話は、私が町の図書館で見付けた本の中にあった物語の1つです。

「楠の木」

ある欧米の国にとても仲の良い家族がいました。

家族は4人

おおらかな父

優しい母

家族思いの兄

そして、少し弱虫の妹

4人は幸せに暮らしていました。

しかし、ある日

お母さんが流行り病で死んでしまいました。

お父さんは悩みましたが、子供達の為に、新しいお母さんを迎えることにしました。

悲しみに包まれている兄妹の前に現れたのは、とても意地悪なお母さんでした。

そのお母さんはまだ幼い兄に水汲みをさせ妹に家事を手伝わせました。

そして、ある日、妹がスープを作らされているときに火傷をしてしまいました。

火傷した妹を見た兄は怒って新しいお母さんとケンカをしました。

妹は怖くて外にある楠の木に抱きつきました。

その木の下には死んだ優しいお母さんが眠っています。

「お母さんが生きていたら良かったのに…」

妹は泣きながらそう呟きました。

その頃、家では兄が新しいお母さんを罵っていました。

「お前さえ来なければ、僕たちは幸せに暮らしていたんだ!!帰れ!!」

怒ったお母さんは手元の斧を手に取り、兄の手を掴んで、テーブルの上に乗せました。

「それじゃ、お母さんに逢わせてあげるわ」

ガンッ…

ゴロゴロ…

ゴトッ…

家族思いの兄は

意地悪なお母さんに首を切り落とされ、殺されてしまいました…。

意地悪なお母さんは落ち着いた様子で、落ちたお兄ちゃんの首を拾い、テーブルクロスの端を破りました。

そして、まるで首に包帯が巻かれているように首と胴体を繋ぎ合わせました。

妹が怒鳴り声が止んだのに気付き、家に近づく足音が聞こえてきます。

意地悪なお母さんはお兄ちゃんの手に林檎を握らせ、椅子に座らせました。

そして、キッチンで妹に作らせたスープの仕上げに取りかかりました。

何も知らない妹が椅子に座っているお兄ちゃんに話掛けています。

「お兄ちゃん?ねぇ、お兄ちゃん?」

意地悪なお母さんが全く振り向かずに

「どうしたの?」

と、言いました。

すると、妹は、

「お兄ちゃんがね、美味しそうな林檎を持ってるの。だから、ちょうだいって言ってるのに何も言わないの。」

林檎は妹の大好物でした。

「ねぇ、お兄ちゃん?どうして青い顔しているの?首どうしたの?ねぇ、林檎ちょうだいよぅ」

妹はとうとう我慢できずに林檎を取ろうとお兄ちゃんの手に触れました。

ゴロンッ

すると、お兄ちゃんの首は床に落ちてしまいました。

「お母さん!!お母さん!!お兄ちゃんの首が落ちちゃった!!」

びっくりして妹は叫びました。

意地悪なお母さんはやっと振り向き、無表情で、

「そう、なら…仕方ないわね…」

と、呟きました。

妹は泣き喚きながら、

「お兄ちゃん!!お兄ちゃん!!」

と、言っています。

それを、気にもとめず、意地悪なお母さんは、お兄ちゃんの身体をテーブルの上に乗せ、出刃包丁でお兄ちゃんの身体を解体し始めました。

その時代の女達は動物の解体を花嫁修業のときに教えられ、肉の解体は妻の仕事でした。

意地悪なお母さんは手際良く、お兄ちゃんの身体を解体していきます。

頬やお尻の柔らかい肉だけを取って、骨はテーブルの下に捨てました。

そして、肉をスープに入れ、よくかき混ぜました。

何も知らないお父さんがお腹を空かせて帰って来ました。

お父さんが家に入るとなんとも言えない良い匂いがしました。

テーブルの上には前菜とパン、そして、スープ等が並んでいます。

「美味しそうだな」

テーブルを見回したお父さんは、悲しそうな顔をして俯いている妹に目が止まりました。

「何かあったのかい?」

妹は何も言わず、俯いたままです。

お父さんは諦めて席に着きました。しかし、いつも目の前に座っている兄の姿が見当たりません。

「あの子はどうしたんだ?」

意地悪なお母さんは間髪入れずに話し出しました。

「あの子なら、親戚の所へ行きましたよ。全く、何を考えているのか…。」

それを聴いた妹はハッとして、意地悪なお母さんを見、そして、スープを見つめました。

何も知らないお父さんはスプーンを掴みながら、

「まったく…最近の子は…。」

と言い、スープに口をつけました。

すると、

「これは、美味い!!」

と言いながら、何度もスープを口に運び、おかわりまでしました。

妹はその夜、部屋から絹の布切れを持ってきて、テーブルの下に捨てられたお兄ちゃんの骨を拾い、布切れで包みました。

それを持って、外に出て、楠の木の下に置き、土を被せました。

「お兄ちゃん…お母さん…」

妹はそう呟きながら、泣き続けました。

妹が泣き疲れて眠る頃には、もう朝になっていました。

朝露に濡れた楠の木の葉がきらきら光っています。

その木の一つの枝に楠の木の葉が集まり、みるみるうちに小鳥に姿を変えました。

鳥は朝の活気満ち溢れる、街へ飛んでいきました。

鳥は街に着くとまず、靴屋に行き、垣根のにとまって、歌い始めました。

「お父さんが僕を食べ  妹が僕を楠の木の下に埋めた  お父さんが僕を食べ  妹が僕を楠の木の下に埋めた」

その歌に吸い寄せられるように靴屋の主人が出てきました。

「小鳥さんや、もっと歌ってくれないか?」

「なら、その小さな赤い靴をくれ」

主人が小鳥に靴を渡すと、鳥は同じ歌を歌って飛んでいきました。

「お父さんが僕を食べ  妹が僕を楠の木の下に埋めた  お父さんが僕を食べ  妹が僕を楠の木の下に埋めた」

靴屋の主人はハッとしたように家の中に入って行きました。

鳥は次に、金物屋に行き、物干し竿に止まって歌い始めました。

「お父さんが僕を食べ 妹が僕を楠の木の下に埋めた お父さんが僕を食べ 妹が僕を楠の木の下に埋めた」

金物屋の主人は、吸い寄せられるように出て来ました。

「小鳥さん、また、歌っておくれや」

「なら、その金の鎖をくれ」

主人が小鳥に鎖を渡すと、鳥は同じ歌を歌って飛んでいきました。

「お父さんが僕を食べ  妹が僕を楠の木の下に埋めた  お父さんが僕を食べ  妹が僕を楠の木の下に埋めた」

金物屋の主人は、ハッとしたように家の中に入って行きました。

小鳥は最後に、石屋に行き、屋根に止まって歌い始めました。

「お父さんが僕を食べ  妹が僕を楠の木の下に埋めた  お父さんが僕を食べ  妹が僕を楠の木の下に埋めた」

石屋の主人が吸い寄せられるように出て来ました。

「小鳥さん、もっと歌ってくれや」

「なら、その石臼をくれ」

石屋の主人が小鳥に石臼を渡すと、鳥は同じ歌を歌って飛んでいきました。

「お父さんが僕を食べ  妹が僕を楠の木の下に埋めた  お父さんが僕を食べ  妹が僕を楠の木の下に埋めた」

石屋の主人は、ハッとしたように家の中に入って行きました。

小鳥は、家に戻り、屋根の上で歌い始めました。

「お父さんが僕を食べ  妹が僕を楠の木の下に埋めた  お父さんが僕を食べ  妹が僕を楠の木の下に埋めた」

妹が歌を聴いて、外に飛び出しました。

すると、赤い靴が空から落ちてきました。

「わぁ、お父さん!!見て!!お空からきれいな靴が落ちてきた!!」

その言葉を聴いて、お父さんも出て来ました。

すると、空から金の鎖が落ちてきました。

「ほぅ、これは立派だな」

その声に、怪訝そうな顔をしていた意地悪なお母さんも出て来ました。

「私にも何かくれるかしら?」

そう言いながら、一歩外に出た瞬間。

ドスンッ…

意地悪なお母さんは、石臼の下敷きになって死んでしまいました。

その瞬間、楠の木の下から白い靄が立ち上り、あの兄が現れました。

「お兄ちゃん!!」

妹が嬉しそうにお兄ちゃんに抱きつきました。

「なんだ、いつ帰ってきた?」

兄妹は、顔を見合せて笑いました。

その日の、夕食は、前菜とパン、そしてスープ等でした。

お父さんはスープに口をつけ、言いました。

「なんだ、これは!?なんて不味いスープなんだ!!」

「このスープに入っている硬い肉はなんだ…まったく…不味いスープだ…」

そこで、お父さんは、お母さんの姿が見えないことに気付きました。

「お母さんはどうしたんだ?」

お兄ちゃんが間髪入れずに話し出しました。

「お母さんなら、親戚の所へ行ったよ?何を考えているんだろうね…。」

「何!?まったく…最近の女は…」

「それにしても、不味いスープだな…」

兄妹は幸せそうに微笑みました。

怖い話投稿:ホラーテラー 弧蟻さん  

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