中編3
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雛人形と姉

これは私が小学生の時の話です。

夏休みで親の実家に帰省していた時のことです。

その日は早めに昼を済ませてしまい

庭でスーパーボールを使い遊んでいました

そしてボールが近くの蔵に行ってしまいました

今まで蔵に入ったことがなかったので、

怒られるかとも思いましたが

子供心に探究心をくすぐられ入ってしまいました

探してみると

たくさんの骨董品や箱やタンスが乱雑に並べられ

ボールを探すのは難しそうに思えました。

箱の中には着物など興味深いものがたくさん入っていて

ボールを探すのもそっちのけで探検に夢中になっていました

ふとはしごが目に留まりました。

それは折りたたみ式のはしごで

天井のとってを下ろすとはしごになる形でした。

いままでそんなものがあったことは知りませんでした。

小学生ということもあって探検したくなり、

たんすや箱を伝って、はしごを引っ張ってみました。

何年も使ってなかったようで埃がすごかったのを覚えています

どうやらそこは屋根裏部屋に続いているようです。

登ってみると上の方に窓があり、陽の光で多少明るかったです

ワクワクしながら探検してみると、

特に埃が多いだけで何もないように感じたのですが

部屋の奥に雛人形があったのです。

なんでこんなところに?

私には女の兄弟はいないのに・・・

でも実家なので母親のものかともおもいました。

それにしてはとても綺麗で、手入れが行き届いているようでした

ですが、私はすぐ気づきました

どの人形にも目がないのです。

怖くなってすぐに蔵から出て、部屋に戻りました。

そのあと蔵に入ったことをこっぴどく叱られました。

何年かたって聞かされたのですが

実は私には姉が居て

絵を書くのが好きで良く書いていたそうです

そして画家になるのが夢だったそうです。

親に買ってもらった雛人形もとても大事にしていたそうです

ですが、

大切な絵のコンクールの日が迫ったときに

姉の視力が下がっていってしまいました

それに伴って雛人形の目が薄くなっていき

最初は気味が悪かったのですが

きっと身代わりになってくれているのだと思い

かすかに期待もしていました

視力が下がっていてもなお絵を書き続け

必死に完成にこぎつけようとしました。

ですがどうしても姉の満足する、内容にならず、

家族たち(私の両親)はいろいろ尽くしましたが

それもむなしく視力は下がっていき

治る見込みも全く見られませんでした

最後には人形の目もほとんどなくなってしまいました

大好きな絵を書くこともできなくなり

夢も叶えることも難しくなってしまい

そのショックで自殺してしまったらしいのです。

そして今もなお雛人形が残っているのは

亡き姉を偲んでとのことです。

あの場所になぜまだあるかというと

あの場所は姉にとって作業場であり

大事な場所だったからだそうです。

定期的に人形だけは手入れをし続けていたそうです。

私は実家に帰るたびにその雛人形に会いにいき

会ったことのない姉を思い悲しい気持ちになります。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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