短編2
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自分からのメール

ごみ、カスなどなどこれらの言葉は今の俺に使われている。そう、俺は高校でイジメを受けているのだ。

とは言え始めからじゃない。半年くらいは普通の生活をしていた。

事の始まりは些細な事だ。友達と話ながら歩いていたら誰かにぶつかった。

「おっと、ごめんよ」

俺は謝った。だが相手が悪かった。不良として有名な黒井だったのだ。

「覚悟をしておけ」

そう言われた次の日から俺の居場所は無くなった。机と椅子が消え、クラスメイトはおろか、親友でさえ無視する始末。最近は

「そんなにお金持ってないよ」

「ごめんなさい」

くらいしか口に出せなかった。

そんな俺が考えていたのはもちろん自殺。学校で飛び降り、黒井や無能な教師、俺を裏切った親友に目にものを見せてやろうと思った。

だが怖い。中々勇気を出せず、ただ暗い毎日を過ごしていた。

そんなある日、メールが届いた。

「このメールが届くとはなんて不幸な!でも大丈夫!このアドレスに空メールを送れば貴方の望みは叶うよ!」

黒井の悪戯か?と思ってアドレスを見てみた。

「…俺のだ」

理由はわからない。でも何故か知らないが俺のアドレスなのだ!このメールに気味悪さを覚えたが、期待も持てた。

結局空メールを送信した。何かの間違いなら俺に空メールが届くはずだ。しかし空メールは届かない。いよいよ期待は膨らんだ。

次の日、俺の机と椅子が復活した。黒井は面白くなさそうな顔をしていたが、実に数ヶ月ぶりの平和に感動した。

次の日は親友が声をかけてきて、またその次は一緒に昼飯を食べるなどし、7日後にはイジメを受けはじめる前の生活に戻っていた。

そして8日目、勢い良く「おはよう!」とドアを開けたが、何か違和感を感じた…

…机と椅子がない……

それだけじゃない。雰囲気、俺を見る目、すべてがイジメを受けている時に戻っていたのだ。

黒井がニヤニヤしながら

「一週間楽しかった?今までのは遊びだよ。イジメからの開放感からまたイジメに戻る絶望感。名付けて天国から地獄ゲーム。また元の生活に戻っちゃって残念だねぇ」

どういうことかはわからなかった。俺の足は自然と動いていた。

「今まで出来なかった事がこんな簡単に…」

俺は宙を舞い、そして鈍い音と共に地面に落ちた。飛び降りる瞬間にポケットに入れてたケータイがなるのを感じた。

その黒井たちは興奮していた。

「見たかあの顔!ヤバいだろ!」

「マジ笑える!」

「にしても黒井。良くあんな遊び思いついたな。」

「あ?お前らの誰かがメールで俺に送ったんじゃねーの?」

「え?てっきり黒井が考えたのかと…」

興奮は気味悪さに変わっていた。

その時皆のケータイが一斉になった。

「う、嘘だろ…俺のアドレスから…」

皆の顔は青ざめていた。

「望みが叶って良かったね」

怖い話投稿:ホラーテラー 初コメハンターさん  

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