短編1
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アロエ

アロエはご存じでしょうか?

病気や怪我など何にでも効くということで、

昔は結構あちこちの家庭で持て囃されていました。

今はどうだか判りませんが、とにかく家庭療法の代表格でした。

昭和61年、岩手県の出来事。

その家は母子家庭で、お母さんと小学校3年の子供が団地で二人暮らし。

お母さんは普段からアロエ療法が大好きで、

何かにつけて料理に使ったり怪我などの治療に使っていました。

ある日、子供が煮立ったヤカンを持ったまま走って転倒し、

胸から太ももに掛けて大火傷を負いました。

ここまでは、ありがちな家庭の事故でしたが…

お母さんは慌てて子供の服を脱がせたのですが、

(察しの良い方ならすぐ気付くでしょうが)

布に皮膚が付着してそのままベロリと剥けてしまいました。

そこですぐ病院に行けば良かったのですが

お母さんはベランダで普段から栽培していたアロエを

露出した皮膚のあちこちへ、シールのように貼りまくって

3日それで通したそうです。

その内、子供に高熱が出て、さすがにお母さんも救急車を呼びましたが、

放置状態だったのが仇になって、火傷が治ってもケロイド状になって

見苦しい皮膚になるだろうということでした。

おまけに雑菌が皮膚に繁殖し、あちこち膿が出ていたそうです。

用途を見定めないとこういう事もあるんですね…。

怖い話投稿:ホラーテラー |=|さん  

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