短編2
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臭い

時期は8月頃。

当時私は温浴施設に勤めていた。

朝7時半には職場につく。

いつもの様に、出勤したときだ

やけに騒がしいな…

事務所に行くと、上司が数人、警察官と話し合っていた。

この事は公にしない方向で…

気になる…

制服に着替え、社員食堂に一服に行くと、この時間帯にいつもはいない支配人がいた。

私)おはようございます

支)おぉ、おはよう

いつもの様にカップのコーヒーを買う。それを持ち、タバコに火をつけたとき、支配人が話し始めた。

支)最近出勤する際に、なんか変わった事なかったか?

私)んーなんにもなかったですけど?

支)従業員も、お客様も駐車場が臭い、臭いってゆうんだよ。

私)ゴミとか…?

支)いや、生ゴミとゆうより何かが腐ったような…

実はさ数日前から一台のジープが駐車場に置かれてて、警備員も気にはしてたんだけど、そんなのよくいるだろ?

だから3日間そのまま様子見てたんだよ。

そしたらニオイの出所が、どうもジープからでさ。

おかしいから来てくれって昨日の夜、警備員に呼び出されて、行ったんだ。

確かに臭くて、息も出来ない程の強烈なニオイが漂ってて…

だけど中見ようとしたら、この陽気だから内側が水滴で曇ってて見えないんだよ。

で、怖かったんだけど、よく目を凝らして見てみたら、運転席で人が動いてる。

なんだぁ!寝てるんじゃないか?生きてるよって言って窓叩いたんだけど、反応がない。

仕方ないから、なんとかこじ開けたんだ。

そしたらさ…

びっしりウジ虫が頭からかぶってる状態で、蠢いてたんだ。

後から聞いた話によると、その方はよく来店されてた、60代の常連さんだった。

少し前から行方不明で、家族が捜索願いを出していたらしい。

遺書は無く、練炭自殺だった。

暑い日が続く中、腐敗も早い。そのせいで駐車場が臭かったのだ。

上司が警察と話し合った通り、この話は公にならずに終わった。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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