あるクリスマスイヴの真夜中に外から声が聞こえてきました。
「最後尾はこちらでーす。最後尾はこちらでーす。」
ずっと聞こえるし、元気の無い女の人の声だったので、気味が悪く、なかなか寝付けませんでした。
いくらか経つと、さっきより声が近づいてきたように感じてきました。
勘違いだろうと思って、布団に頭まで入れた瞬間、ピンポーンとインターホンが鳴りました。
しかも、先程の声がドアの向こうから聞こえるようでした。
無視していると、ドアを叩かれ、
「最後尾はこちらでーす。最後尾はこちらでーす。」と言い続けているのです。
朝になると、音は止みました。
昨日の事も忘れるように、そしてクリスマスなのでケーキを買いに出掛けました。
思っていた以上に店の周りは混んでいました。
周りを見ると、『最後尾』と書かれた看板を持った女の人が、
「最後尾はこちらでーす。最後尾はこちらでーす。」と一生懸命言っていました。
その女の人の前に行って、列に並ぶと後ろから
「やっと来た」
と聞こえたような気がしました。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話