ある男がいた。
その男は、他人に何か決められるのが一番嫌いだ。
ある日、その男が電車に乗ると、爺さんが喋りかけてきた。
「おい、お前の運命は全て俺が握っている。今から5分後に、お前はトイレに駆け込む。」と。
男は無視していたが、少し経つと急にお腹が痛くなり、電車が最寄駅に着くなりすぐに降りて、トイレに駆け込んだ。
トイレから出ると、先程の爺さんが立っていた。
そして、
「わかっただろう。お前の運命は全て俺が握っている。」
それからも、爺さんが言った事は全て当たり、男は苛立っていた。
次に爺さんに会った時に殺してやる、そう決めていた。
そして、爺さんが現れた。
男は爺さんを殺した。
すぐに死体を処理し、逃げ出した。
携帯を見ると、殺人をする前にメールが届いていた。
内容は、
『お前は今から俺を殺す。全てわかっている。お前の運命は全て俺が握っている。
今から一週間、お前は殺人をしたと言う罪悪感に自らを侵され、鬱になる。自殺はしない。』
多分爺さんだろう。クソアマ。
しかし、その通りに一週間、男は苦しんだ。
睡眠をとることもできず、食事もしようとしても、全て吐き出してしまう。
また爺さんの言う通りになってしまう。クソ。
そして、男は初めて爺さんの言った運命に逆らった。
男の死に顔は、満面の笑みだった。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話