僕は部活から帰ってきた。
リビングには母が一人。
汗をかいていたので、すぐに風呂場に行った。
風呂が入っていないことを確認して、掃除もせずに、お湯を張るボタンを押した。
風呂場とキッチンにお湯を入れたり、おいだきするための機械を設置していたので、二カ所で
「湯張ります」という機械の冷たい声が聞こえた。
脱衣所で着替えようとすると、サッサッサッサッという足音が聞こえ、脱衣所のドアが、ダンダンダンダンっと叩かれた。
僕は、母親に湯を張るスピードが早すぎることから、掃除をしていないという事がバレてしまい、止めに来ているのだろうと思った。
しかし、僕はしんどかったので、無視して風呂に入った。
風呂に入っている間にも、ダンダンダンダンという音は止まなかった。
風呂から出る頃には音は止んでいて、僕は風呂から出て、リビングへ行った。
リビングには、母が帰宅した時と同じ格好でテレビを見ていた。
母に、さっきのはドアを叩き過ぎだろう、と冗談半分で言った。
しかし、母はポカーンとしていた。
聞くところによると、母は湯を張る事も知らなかったようだった。
もうすぐで、風呂掃除をしていない事がバレる所だった。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話