中編5
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不気味な声

僕がまだ22歳でした。少々、お金にも余裕が出来て一人暮らしを始めようと思った時に実際にあった話です。

よく曰くつきの家とか怖い話がありますが、自分もそんな経験を語るとは驚きです。

そのアパートの周辺は田舎であちこち田んぼばかりで近くには神社があり、一言で言えば「のどかな町」でした。だから多少、家賃が三万以下に納得してしまいました。

不動産からも曰くとは言わず、前の物件にはちゃんと「お化けとか大丈夫ですか?」と言われ前の物件はお断りしました。

だから何も言われなかったそのアパートにはすんなりと承諾してしまった。

当時の僕は夜中働き、昼間寝るというドラキュラのような生活を送り、中々疲れも取れません。

そしてそのアパートには異変があったのは台所です。確かに掃除はあまりしませんが、異様に臭いんです。生ごみの臭いではなく、何と言うか肉が腐った臭いが台所からして、隣の居間に居てもその臭いが気になります。あまりの異臭に台所を掃除しました。洗剤なんかも沢山付けて泡立ちをして掃除をしました。ピカピカになりゴミも全部捨てたのに二日後にはまたあの臭いがしてきます。

近い内に大家さんに言おうと考えている間に背筋が凍る出来事がありました。

いつものように昼間寝て夜7時くらいにふと目が覚めたのです。寝ぼけざまに携帯電話が着信ランプが点灯しており、見てみると知らない番号でした。

「なんだよ、間違いかよ…。」と再び軽い眠りに落ち、また目が覚めた時は、夜10時を回ってました。私は仕事が夜11時から朝8時半まで働く夜の荷物の仕分け作業の仕事で夜10時半には家を出なければなりません。飯も風呂も忘れ急いで仕事の準備にかかりました。そして「携帯?携帯は?」と携帯電話を探していると、また着信ランプが点灯してます。

携帯電話を開くとあの7時にかかってきた番号そのままで、しかも今度は留守電付きです。

ひょっとして誰かが番号を変えた知らせなのかなと思い、留守電を再生しました。

すると、最初は雨のような「ザー!!」と雑音が入りました。ほんの2、3秒ぐらいですが、それでも不気味でした。しかし本当の恐怖はここからで電話をした奴が話し始めました。

しかし、その声自体に背筋が凍りました。

人間ではありません。何を喋っているかも分かりません。男か女かも解らず、年寄りか若い奴かもその声からは全く把握出来ませんでした。

よくカセットテープを再生した時に引き伸ばされたような声といったら解るかも知れませんがあの嫌な感じがそのままです。何度も何度も怖く、何を語ってるのか分かりませんがようやく、その声から最初の一言が「も〜〜し〜〜も〜〜〜し〜〜〜」と分かりましたが、その後は何回聞いても読み取る事は不可能でした。

しかし、時間を見てみるとヤバいと思い仕事に遅れる事に我に帰り急いで家を出ました。

運転中、どうしてもあの不気味な声か頭から離れませんでした。

薄暗い道から仕事場まで車を走らせてましたが不思議に身体は震えていません。

ようやく職場に着き仕事仲間と「おはよう」と挨拶を交わし一服してました。

夜中の3時まで仕事が黙々と行われ時折、仕事仲間と雑談もしました。

3時の休憩に僕は例の携帯電話の話しを同僚に話しました。

「実はさ今日何か変な電話来てさ。何かヤバいかもしれん!」上手くその出来事を伝えようとしましたが、どう説明も難しくこんな感じでした。

「ヤバい奴からか?」とI君が言いました。

俺「よく解んねえけど…聞いてみる?」

I「よし貸せ!俺が聞いたる!」

I君がその留守電からの声を聞くと…。

I「ウオォォォ!何これ!ヤバくねえ。ちょい、オイ!Aよ!これ聞いてみ!マジヤベーよ!」

A「何どうした?」

I「いや、今さ〇〇ちゃん(僕の名前)の携帯電話からさ何か不気味な声が聞こえるんだけど、マジヤバいよ」

Aが聞いてみるといつもニコヤカなAが真顔になり

A「…何これ!全然解らん」

I「めちゃくちゃ怖くない?」

こんな感じで仲の良い同僚とその携帯電話の不気味な声に和気藹々としてました。次ぎから次ぎへと「俺にも俺にも」とその声を聞きたさに皆集まりました。さすがに大勢いるせいか自分もテンションがなぜか上がりました。

6人ぐらいで皆の共通点は怖いよりヤバいでした。

そしてその職場のリーダー各Sさんがこんな事を言った。

S「おい、今からこいつに電話しようぜ!」

一同唖然としながら

「ヤメタほうがいいよ!」と皆が止めようしたがSさんは強気で。

S「いいから、いいから。こういう奴はビシッと言わなアカン」とかけたい気持ちがあり、皆も、好奇心で静かにしてました。

しかし時刻は夜中の3時で誰もが出ないのではと感じてましたが、Sさんの性格からどんな会話になるか自然にSさんに任せました。

みんな止めな。と言っていたが、僕も含め、どうなるか?でワクワクしてました。

S「じゃあ、かけるぞ!」と楽しそうなSさんに一同静かにしてました。

しかし中々電話に出ません。

「出ないな」と舌打ちをならすSさんに、

「おっ!」 出たぞ!と口パクで僕たちに伝えました。

S「おい!お前だれや!!携帯に何て喋ってるか解んねえんだよ!ハッキリ喋れよ!………おい!聞いてんのか!おい!」

Sさんが耳から携帯電話を離すと…

どうだった?と皆が聞いて来ると、

S「無言で切りやがった!〇〇ちゃん!もう大丈夫だよ!こいつからかかってこねえよ」

そういうとSさんは、してやったりと得意顔になり僕に携帯電話を返しました。

そのせいか、その電話からはかかってきませんし、Sさんも僕も皆も元気で働いてました。

もうかれこれ10年前の話しですが、あの声は何だったのか今思うと不思議です。

Sさんがからかった当日の朝にその携帯の留守電メッセージが消えてました。Sさんが消したのか分かりませんが直ぐに携帯電話を返されたから、恐らく消してないと思います。

台所の臭いは結局大家さんに言わず、異臭はしましたが、前より酷くはなく気にしなくなりました。

そのアパートには半年しか居ませんでしたが、10年たってもあの出来事は忘れません。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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