霊について考える(コピペ)

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霊について考える(コピペ)

霊は本当に存在するか。

人の脳が、過去の体験や知識として得たイメージから勝手に造り上げた創造(想像)物なのだろうか。

霊に限らず、今私達が見ている、または見えている物は、脳が視覚から得た情報を頭の中で映像化しているに過ぎず、極論すれば、この世の全てが、脳が造り上げた創造(想像)物だと言えなくもないと思う。

鏡に映った自分は友人にも同じ姿に見えているのか、空の青は、山の緑は、あの子の笑顔は、みんな同じように頭の中で変換されているのか。

前述の理屈からすると、視覚以外の感覚についても同じ事が言える。

今目の前に広がる世界は、自分の脳が造り出した自分だけの世界なのかもしれない。

話を霊に戻そう。

最近、私の住むアパートの住民が行方不明になった。

彼が消える少し前に、私は彼が2人組の男に無理やり車に押し込められ、夜の闇に吸い込まれていくところを目撃してしまった。

その時多分、私の姿も向こうから見られていた。

数日後、私の元に車の男が。

穏やかな口調で、

一緒に来ないと痛い事しちゃうよ

みたいなことを言うので私は訳の分からない覚悟を決め、男の車に乗り込んだ。

すると、まだいた。

車の中に彼が。

と同時に奇妙な感覚に襲われた。

何といったらいいか、今まで見た事の無い色、感触、だが全体のディテールというか、そこは車の中その物。

ビックリして隣の彼を見ると、人の形をしていない。

それでも彼と判るこの感覚。

私は思わず、

(何なんだ!)

と叫んだつもりだったが、自身の耳には

「〆£§∬¶!」

と聞いた事の無い言語が伝わってきた。

言うなれば、そこは正に異次元の世界。

そして彼もまた、異次元語で私に何やら話しかけてくる。

異次元語なのに意味が判る、この不思議な感覚。

〔見殺しって…… ひどくね?〕

直後私は気を失い、我に帰るとそこはまだ車の中だった。(但しこちらの世界)

男に窓の外を見る様促され、目を向けるとアパートの彼の靴が大きなズタ袋からはみ出しているのが見えた。

男は人差し指を口にあて茶封筒を差し出し、私はそれを受け取るしかなかった。

部屋まで送られ、何事も無かったかのように日常に戻る。

そして今

私は思う。

あの車の中の世界は、彼の見ていた、彼の脳内で造りだされた世界だったのではないのかと。

だとすれば

今目の前に立っている彼は、私の脳内で造り上げた幽霊なのか?

私はもう一度霊について考えてみる必要があるが、あまり時間は無いようだ。

私の脳内で創り上げた筈の

彼が

少しずつ私の傍に

私の脳内で創り上げた筈の

彼の

  手が

もう

  すぐ

私の

  首に

  ぐっ

怖い話投稿:ホラーテラー 埋もれた名作選さん  

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