中編3
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学校帰りの山道

中学時代の話です。

当時は田舎の山間にある集落に住んでいました。

地元集落にあった小学校を卒業すると、中学は歩いて1時間近く掛かるような2つ隣にある集落まで行かなければなりませんでした。

田舎に住んだことのある人はご存じでしょうが、そういう山間部は、集落と集落の間は民家もないような道がずっと続いているだけ。

さすがに今は舗装されているようですが、当時は舗装すらされておらず、街灯もかなり間隔が開いているような有り様でした。

中学1年の部活帰り、時間も夜八時近くになっていましたが、同じ部の同級生と3人で、その山道を歩いていました。

途中、少し乱暴な運転をした白い車が後ろから走ってきて、私達の横に止まりました。

窓が開いて、中からちょっと小太りで眼鏡を掛けた30代前半くらいの人が顔を出し

「ねえねえ、ちょっと…。あのさ、○○って町はどっち?」

やけにニヤついて聞いてきました。

地元民なので当然知っていましたから、方角とだいたいの距離を教えると

「ところで君らって近くの人達?」

同級生が、2人はすぐ近くで1人ちょっと遠いと馬鹿正直に答えると、

「あ、ふーん、そうなの?」

(※ここでなぜか指パッチン)

「なるほどねえ」

それだけ言って走り去って行きました。

なぜか、車の窓から手だけ出してバイバイしながら。

ちょっと変わった人だねえとか言いながら、その後も私達は歩き続けました。

やがて、途中の分かれ道で同級生とも別れ、途中から自宅まで1人で歩いていました。

この時間帯に歩くのは慣れてきましたが、さすがに、街灯もまばらでちょっと怖かったし、まだ私の住んでいる家まで20分以上もあるため、当時流行った歌とかを小声でハミングしながら歩き続けました。

少し歩くと、またタイヤ音をキキーッとさせた乱暴そうな運転をしながら、車のエンジン音が近づいて来ました。

道が蛇行している所なので、まだ私のほうが視界に入っていなかったと思いますが、何となく胸騒ぎがして、道路脇の木の影に隠れてやり過ごしましたが、

すると、先ほどの車(県外ナンバーだったし、少し特徴あったので覚えてます)が走り去っていきました。

しかも、要所要所で停止しながら、急発進したりして何かを探しているようでした。

やがてライトも見えなくなり、車の音も遠く聞こえない距離へ走り去っていきました。

…と思ったら、数分してまた戻って来ました。

地元の集落へ辿り着くまで、これを何回か繰り返し、その度に私は隠れていました。

やっと家が見えてホッとしていると、さっきの車がまた遠くから走って来ました。

大急ぎで家の玄関に入り、少し明けて様子を見たら、家から30m位離れた所に車が停止して例の小太りの男性が車の窓を開いてこちらを見ていました。

距離はありましたが、車が街灯のそばなので、妙に鮮明に見えたことが記憶に残っています。

焦って両親に伝えに行き、父親と一緒に玄関まで戻った時には

もう車はどこかへ走り去っていました。

怖い話投稿:ホラーテラー 鬱金の木さん  

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