中編3
  • 表示切替
  • 使い方

霊の仕業?

私がカラオケ店でバイトしてた時の話しです。

そのお店は一階建てで、入り口から奥に1〜30号室まである小さなお店でした。

私は深夜勤務で、トラブルは日常茶飯事って感じだったのですが、その日は何か違いました。

夜中の1時を過ぎた頃、店内は平日にも関わらず、お客様で賑わっていました。待ちのお客様もいらしたので、部屋が空いたら3分以内に清掃をしてました。

私は30号室の清掃を頼まれ、無我夢中でテーブルの食器類を片付けて、最後に入り口に背を向ける様にしてテーブルを拭いていました。

チラッと目の脇に何か入ったので、他のスタッフが手伝いに来てくれたのかと思い、後ろを振り向くと彼女はいました。

背は140cmぐらいで、乱れた黒髪は足の先まであり、髪にはお札がびっしり貼ってありました。

髪から出た腕は、生きた人間の肌の色ではありませんでした。

彼女は私のいた30号室と同じ並びにある、29〜22号室がある通路側を進んで行きました。

23 24 25 26 27 28 29 30 ← ← ← ← ← ← 女、

一瞬その場に固まってしまいましたが、直ぐに彼女の行った先を確認しました。が、彼女はいませんでした。

仕事に戻り約30分後、23号室方面から怒声が聞こえてきたので向かうと、男性のお客様同士が掴み合いの喧嘩をしてました。

二人を落ち着かせて話しを聞くと、一方は23号室のお客様で、いきなり殴ってきたと主張され、もう一方は24号室のお客様で、あいつの連れの女が俺らの部屋を通る度にドアを蹴って、うるせぇ!とか私は23号室に居るからいつでもかかってこい!などの罵声を言ってきてたから、あの男に注意しようと呼び出したら、あいつがいきなり殴ってきたと主張されました。

なんとかその場は納まったのですが、23号室のお客様が、「大体女なんていませんよ?お兄さん受付したから、覚えてるでしょ?」と言われて気づきました。

私は確かに23号室の受付をしてました。

男4人のフリータイムでのご利用、もしかして後から追加してる?と思いフロントで確認しましたが、4人のまま、他の部屋のお客様かなと思いながら仕事に戻りました。

そうこうしてるうちにその日の営業も終わり、閉店作業も終え、今日あった出来事を監視カメラで確認しようと、まず30号室で彼女を見た時間に合わせて見てみました。

ご想像の通り、そこには彼女はおろか、人っ子1人映っておらず、私しかいませんでした。

少々ガッカリしましたが、まだ喧嘩の原因をつくった女を確認しなければ、と思いその時間に合わせて見てみました。

そこには髪がロングで清楚な感じの、フリフリの服を着た女性が酔ってるのかフラフラしながら、24号室のドアを蹴ったり、ドアに張り付いてドンドン叩いたりしてました。

あぁ酔っ払いの仕業か〜と思いその後の喧嘩のシーンに早めて、観戦していました。

私が喧嘩を止めに入り、23号室と24号室の電気がつき、中から仲間の方達が出てきた時点で、画面を閉じようと思った時、違和感に気づきちょっと時間を戻して再度見てみました。

すると、23号室の4人の男性が出た後に、もう1人出て来たんです。

あの酔っ払いの女性です。え?あの時あの場には24号室の女性の方が2人だけだったけど・・・ドンドン!!

その音は画面の中からではなく、私が監視カメラを見てるフロントから離れた22〜30号室通路方面のから聞こえてきました。

画面を見るとそこには現在の通路の映像、30号室で見た彼女がぽつんと立っていました。

PCはつけっぱなしで、速攻で荷物まとめて帰りました。

翌日店長から「PCつけっぱなしだったよ?」って言われて、「画面どうでした?」って聞いたら「普通だったけどさ、23号室のドアのガラスが割れてて、電源がついてて大音量でマイクがキィーン!ってハウリングしてたよ」って言われました。

その後は一年間働きましたが、あの様な事は起こらず平和でした。

あのトラブルを起こしたのは、彼女なのでしょうか?酔っ払いの女は彼女と同一実物だったんでしょうか?

不思議な出来事でした。

長文、駄文失礼しました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

Concrete
コメント怖い
00
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ