短編2
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ビデオと焦げ

一時期、呪いのビデオなんてのが流行った時期があった。

まぁ、呪われてるかどうかわからないがそんなような類いの話。

DVDが流行る前はレンタルビデオ屋はVHSが主流だった。

その頃、

某店ではビデオデッキをクリーニングするテープが無料で貸し出されていた。

クリーニングテープは巻き戻しを行い、最初から再生すると 機械内部をゆっくり清掃していき、

完了すると巻き戻る仕組みだ。

当然、再生される映像は砂嵐かブラックのどちらか。

その日もビデオにクリーニングテープをセットして再生ボタンを押した。

数秒、砂嵐が流れた後に…文字?みたいなのがスクロールを始めた。

全部は読めないが所々はっきりした部分もあった。

「なんで しんだの?」

「あつい」

「なんにん」

「みず」

他にも細かく流れたが読めない。

砂嵐は数十秒後にブラックアウトし、

巻き戻しが始まった。

でも俺は文字が気になって、もう一回再生ボタンを押したんだ。

今思えば、押さなきゃ良かったなと思うよ。

今度はさ、

古い民家の土壁みたいなのが映った。

そして横から、

ズッ…

ズッ…

って少しずつ真っ黒い塊がテレビの中心に向かってきていた。

どうみても焦げた人間。

目だけ真っ白くギョロギョロしていた。

その焦げが画面中央に到達する前に、

停止ボタンを押して巻き戻した。

恐かったからか、

そのテープにたまたまやってたダウンタウンのガキの使いやあらへんでを重ね録画した。

ビデオ返した後もしばらくは家からラップ音やら、

男女のうめき声が聞こえたが引越しで解決した。

今は平和だし多分呪われてないとは思う。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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