短編2
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浮遊するモノ

同じ線路沿いの学校に通っていた友人(以下Jとします)の体験談。

Jは霊に好かれやすい体質?で多少見えてしまう人。

そいつの実家での恐怖体験はまた改めて話します。

これは男子バレー部の夏合宿での出来事です。

高校2年の夏合宿の夜、Jは他3人の部員と宿舎屋上に居た。

時刻は午後11時頃、4人で隠れてタバコを吹かしていたそうだ。

その内のK(こいつも霊感ある)が各部室がある棟を眺めながら皆と話していた最中、ある一点を見つめて沈黙した。それに気付いた3人が

J「って、はいシカト~」

O(こいつも霊感あり)

「○○(顧問の先生のあだ名)でも来たんか?おぃK!」

S「なんか固まってんねコイツ」

K「ん…いや、なんかさ…あそこに何か見えねぇ?」

Kが指差した先をJとOが凝視……2人が息を呑む。

Sだけには見えていないらしく眠そうにしていたが様子が変だと悟って黙った。

3人が見ているのは、丸い形をした白く光る物体。

部室棟の屋根あたりで円を描く様にゆっくりグルグルと浮遊している。

こっちは3階建の屋上、部室棟は2階建。

直線で60~70m以上は離れている。

K「…おぃ、まずいかもしんねぇ…」

冷静に言うが既に汗だく。

O「少し近付いてきてねーか?…あれ?……顔?ん…顔だぞあれ!!」

J「ひっ!!」

S「えっ!ど、どこよ!?」

丸い物体は、女の顔。

良く見れば頭と口あたりから黒い血の様なものを出し、口をパクパクさせて近付いてきた。

K「おぃ騒ぐな…ちょっ…まずい!こっちに気付いてる!走れ!」

とKが叫び終わる前に、泣き叫びながらJが出入口に猛ダッシュ。

続けて3人が走りだした。

と、いきなり扉がバタンッと開いた。

J「うぅわあっ!え?え?!」

腰を抜かし座り込むJの前に顧問の先生が仁王立ちしていた。

S「ちっ、マジかよ…」

咄嗟にKが振り返る…

生首の女はどこにも見あたらなかった。

Jがもう何も見えない生首の事を指差し、必死で先生に話をするが、先生の目線の先にはタバコの吸い殻が4本転がっている。

その後4人が数ヶ月の停学処分を受けたのは言うまでもない。

後日にわかった事。

その生首が現れた下には野球部の部室があるのだが、過去にマネージャーがOB数人に暴行を受け、殺害された事件があったらしい。

俺は後で野球部の奴に部室を見せてもらった。部屋の空気は重たく、鏡の裏にはお札が貼ってあった。

怖い話投稿:ホラーテラー ちょんぺらぽんさん  

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