長編8
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廃病院と無数の白い手

まぁまぁ長いです。

創作では無いですし、うろ覚えなので

セリフが少なく説明口調なのは許してください。

でもマジであった話です。

数年前にあった怖い話でも一つ。

当時中学3年生だった俺はいわゆる落ちこぼれの部類で

受験勉強もさほどせずに毎日決まった友達とつるんで遊んでた。

これは夏休みの話なんだけど

宿題もせずに毎日友達のTとKとRと遊んでた。

(俺はSって表記する。)

Tはどちらかというと俺と同じタイプで勉強は出来ないが

心はやさしい奴で、でも体系がゴツイのでDQNと一緒の部類にされてた。

Kはガリ勉タイプだけど勉強せずにできちゃう秀才タイプ

なぜか落ちこぼれの俺達とつるんでたのは

俺達がするいたずら系が好きだったからだそうな。

RはなんかDQNまがいの奴で人をすぐに馬鹿にするけど

そのおかげで話が盛り上がる事も多々あった。

俺は・・・まぁ特に説明することも無い。

強いて言うならビビリだ。

さて、夏休みという事で特に決まったことも無く

夜に中学生3人で空き地で花火やらを買い込んで遊んでた。

まぁ中学生の財力ってもんも余り多くない訳で

花火もすぐに尽き、暇になってきてた。

そこでRが提案した『廃病院いかへん?おもしろそうやし。』

まぁビビリな俺は結構嫌だったけど

周りが乗り気だったので仕方なしに行くことにした。

その廃病院というのは末期患者が集められてたという

まぁいわゆる曰く付きの場所だったが、

数年前に病院自体が移動して

昔の病院は取り壊されぬまま放置されてた。

その後、各自家に帰って懐中電灯など

必要なものを適当に持って集まった。

RやTやK等はそもそも幽霊の類のものを信じていないので

ただの探検程度の乗り気だったらしい。

対する俺は1度だけ心霊体験っぽいものをしていたので

それ以降信じるようになった。

まぁこういうサイトを見てるんだから

怖い話自体は好きなんだけどね。

まぁその心霊体験はまた後日語ることにしよう。

さて、病院まで自転車をこいで廃病院の駐車場に止める。

3階立てのH型の白い建物で、窓には木の板が張ってあった。

俺『どっから入るの?』

K 『非常階段のとこのドアが開いてるらしいよ』

という事で非常階段のところを上って、

銀色の引き戸?を引っ張ってみたところ

少し錆びていたみたいだけどすんなり開いた。

T『わくわくしてきたな!』

K『幽霊とか居いひんやろ!絶対!』

R『うわーSビビっとるー!ヘタレや!』

俺『こんなもんでビビるか!』

とかまぁ不法侵入なので小声で盛り上がりつつ

懐中電灯を照らして進み出した。

非常階段から上ったこともありスタートが2階という

なんとも中途半端な場所だった。

病院の中は埃が充満しており、

窓も全部木の板で封じられていたので

外の月明かりも入ってこずに凄く不気味だった。

入ってそわそわと男4人で進んでいく。

入ってから真っ直ぐはずっと病室しかなく、

病室の鍵は全部閉められてた。

階段などの位置関係を調べるために

病院内見取り図を探してそのまま進むと

右手にナースステーションのようなものが見えた。

そこにある見取り図、インフォメーションボードを見ると

H型になっている建物の縦棒の部分は殆ど病室か手術室らしく

横棒の部分はナースステーション、受付兼ロビー等だった。

4人で話ながらどこに行くか相談をしてた。

すっかり肝試し気分も高揚し始めていたときだった。

カラカラカラ...カラカラカラ...

こんな音がいきなり聞こえ始めてきた。

しかも上の3階から。

K『うわ!変な音聞こえた!?』

R『ビビってやんのー!だっせー!』

俺&T『じゃあお前一人で行けよ!』

R『お前らも着いて来いよヘタレ!俺が先導したるから!』

とかいってまぁよくある中学生同士のやり取りが交わされ

そのままRを先導にして行くことにした。

近くの階段を見取り図で探し出し3階に上がる。

俺『さっきの何の音やと思う?』

R『風かネズミやろ。』

そのままRを先導にして進んでいくと3階に着いた。

3階は空気が違うというか重苦しくて鳥肌がたった。

さすがに階段などはすげぇ怖かったが

どうにか我慢してTの腕にしがみついて上った。

Tは特に何も言わなかったが

『ココはあかんやろ。』とボソっと呟いた。

3階は特に2階とも変わらなく少し安心した。

そのまま右側から探索して行くことにしたが

Rが異変に気づいた。

R『あそこだけ病室あいてるで!俺見てくる!』

といって一人で駆け出した。

その時だった

『ダメェエエエエエエエエエエエエエ!!!!』

俺『ヤバイ!にげるぞ!!!』

奥の暗闇の方から女の人の声のようなものが大きく聞こえ

俺とTとKは無情な事にビビって逃げ出した。

Rは勿論置いてけぼりで。

そのまま2階まで下りて非常口から外に出た。

月明かりで少し安心したがドアを閉めるときに

車椅子に乗った女の人が恨めしそうな顔で

こちらを見ていたので卒倒しそうになった。

TとKに聞いて見ると『そんなものは見ていない』と返ってきた。

TとKで話をしつつ R大丈夫かな・・・。

なんて心配してると

いきなり1階の窓と木の板が割れてRが飛び出してきた。

『逃げるぞおおおおおおおおおおおお!!うわあああああああああ!!!』

なんてRが叫ぶもんだから俺達も混乱して走り出す。

そのときにTと同じタイミングで割れた窓を見たんだけど

無数の青白い手が『おいでおいで』をしていた。

俺、T『ヤバイヤバイヤバイヤバイ』

それでさらに混乱し、全速力で走る。

そして、しばらく走り地元の神社に着いた。

神社なら大丈夫だろうという安易な考えだ。

そしてまずRに何があったのかを聞いた。

3階の開いてる病室に向かったら

なんか声みたいなの聞こえたけど

多分風いたずらだと思いそのまま向かったそうだ。

部屋に入ると無数のお札が貼られていて

気持ち悪かったそうだが、土産になると思い

4枚程度引っぺがしてきたらしい。

そうしたらいきなり後ろに車椅子の女が出てきて

『ダメダダメダダメダダメダダメダダメダダメダダメダダメダダメダ』

って呟きだしたそうでそのまま怖くなって逃げ出したそうだ。

2回に下りて非常口からでようとするとまた車椅子の女が居て

急遽進路を変更、1階の窓と木の板を突き破って逃げてきたらしい。

俺とTは首をかしげた。

『白い手は?』

と質問すると

Rは『何それ?』

と答えた。

そしてその日は神社で喋りながら1日過ごした。

いつの間にか寝ていたみたいで、

朝の日差しと誰かに肩をつつかれる感覚で目が覚めた。

神社の神主さんだった。

俺は皆を起こしだすと神主さんは、

それを手で制して『事情を説明してくれ』。と言ってきた。

俺はすっかり何故神社で寝ているかという質問に対してだと思い

『適当に遊んでたら寝てました。』と説明した。

神主さんはすこし怪訝な顔をして、

『それじゃない、あそこに白い手が見えるぞ。お前らなんかしたな?』

と少し怒り口調で言った。

俺はすっかりビビって全部吐いてしまった。

病院に侵入したこと、

車椅子の白い女

友達がお札をはがしてしまったこと。

お札の話になった瞬間神主さんの血相が変わった。

顔がどんどん青ざめていくのが目に見えて分かった。

『お前らお払いしゃんといかん、けどその札はがした奴はどうなるかしらんで。』

と立ち上がってぶっきらぼうに言い、お払いの準備を始めた。

俺は皆を起こし事情を説明すると

『なんで全部言うたんや!ヘタレ!』

とRから責められた。

TとKは気持ちを汲んでくれたようで

何も行ってこなかった。

神前?につれてこられ

訳の分からないまま行事に付き合う。

数十分目を瞑っていただろうか。

神主が『もういいよ』と打って変わって優しい声になった。

帰る前に「これから1ヶ月は家の玄関に盛り塩をなさい。あとこれを全員に配りなさい。」

そう言ってお守り?を渡された。

そして

「君達がみた車椅子の女性は、悪きし物を出させないために守ってたんや。

 あのままR君が非常口から出てたら君らにも悪霊が憑いとったかもしれん。

 お札の部屋に行く前にもあの女が現れんかったか?そうか、声が聞こえたか。

 実はあの病院は末期患者の病院でな、すぐ死にそうな人らが集められたんや。

 やから、負の怨念がいっぱいあって取り壊すこともでけへん。

 取り壊せる程度になるまで怨念を弱めなならんかったさかい

 ああいう風に御札を貼って待っとったんや。

 今回あの子が御札はがしたせいで4対もの怨念が出てきおった。

 御札1枚につき大体4対なんや。そんぐらいなら盛り塩とこの護符でどうにかなる。」

そういう風に説明され、言うか言わないか迷ったが結局言った。

『Rがはがした御札は4枚らしいです。あと僕もTもたくさんの手が病院の窓から見えました。』

そういうと神主さんは凄く青ざめてこう言った。

『そうか....そうか...4枚もはがしてしもうたか。

 君達はもうRって子と付き合わん方がええかもしれん。

 4枚もはがしてしもうたらどうにもならんさかいな。

 うん。どうにもならん。』

神主さんは自分に言い聞かせるようにそう言った。

そして俺達は帰ることにして、自転車で各自の帰路に着いた、

最後Rと別れる時に彼の右肩に白い手があったのは気のせいだろう。。。。

■後日談。

この体験以降俺達は様々な心霊体験をし始めた。

そのうち気分が乗ったらその事についても書きます。

ちなみにTは就職し、今でも遊んでおり。

Kは某有名大学で学生をしています。

Rはというと

この事件以降極端にかかわりが少なくなり

Rの方からは全く連絡が来なくなりました。

夏休みが終わってからも、学校に来ず

引っ越したという話を風の噂で聞きました。

3年前ほどに聞いた最後のRの噂ですが

DQNの暴走族チームに入ったらしく

麻薬をやったかなんかで『白い手が来る...白い手が』

というようにずっと呟いているそうです「。

そして最終的に事故ってしまったそうです。

安否もなにもわかりません。

もう連絡は取りようがないからです。

長々と話に付き合って頂き、ありがとうございました。

また機会があれば。

怖い話投稿:ホラーテラー くろ1415さん  

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