中編3
  • 表示切替
  • 使い方

マヌケな幽霊。

俺が14歳の時の話です。

ある日俺は夜に布団から出てトイレに向かっていた。

この頃の俺は極度のビビリでもう幽霊という字でビビッてた位だ。

んで俺はガタイもでかくなかったし、背も低かったからよくイジメられた。

だから小学4年位から空手をならってた。

このおかげで幽霊は実体が無いから怖いけど

人からならまだ自分が守れると思いすこし威張っていた。

さて、話に戻ろう。

トイレに向かっていた俺はまだ11時にもかかわらず

ビビリながら向かっていた。

家はそこそこ広いんだけど父さんは殆ど1時くらいにしかで帰ってこないので

今は母さんだけしかいない。

しかもその母さんも寝てるときてる訳で家は静寂そのものだった。

超こえー。

とか思い用をすませ、部屋に戻る。

すると・・・・・・なんか白い顔をした気持ち悪い幽霊が部屋にいてやがる。

それも部屋の真ん中にあるちゃぶ台?みたいな丸い机の上に正座してた。

俺ははずかしことにビビって腰を抜かしたけど

まぁガンバって声を出した。

『お、おまえだれじゃ!へ..部屋から出てけ!』

そういいながら壁伝いに移動する。

すると幽霊は『あーあー』とかいいながらゆっくり立ち上がり

ドアのほうへ向かった。

ホッとしたのも束の間。。。。

『アガァアアアアアアア』とかいってこっちに向かってきやがった。

ビビった俺は焦って正拳突き。

駄目もとでやってみたら当たってビックリした。

『ウゴロゲァアアア』とか言いながらみぞおちにヒットして

幽霊が倒れこむ。

攻撃が当たる事に安心した俺はさらに殴りまくる。

殴るたびに幽霊は

『ウベァ』とか『ヤベボボボボオォオオ』とか『ジグゥウアアアァ』

とか訳の分からん事を言い出すしまつ。

完全に頭に血が上った俺はさらに殴り続け、

最終的に部屋から追い出すことに成功した。

だがしかしたかし、奴は家の2階に上がろうとしてやがった。

俺は母さんが危ないと思い、そのまま階段から引き擦り下ろして

蹴りながら玄関まで進む。

玄関の扉を開け家から追い出す事に成功した俺は鍵を閉めた。

本当にマヌケな幽霊だった。

翌日の朝母さんに幽霊が出てきたからボッコボコにしたことを伝えた。

母さんはとても驚いていた。

そして昼過ぎ位に仲間と朝まで飲んでくると連絡をした父さんが帰ってきた。

父さんにも話をすると、

「危ないから幽霊でも殴るのはやめなさい、呪われたらどうするんだ!」

とすごく怒っていた。

父さんの顔をみると痣だらけで

なんか凄く痛そうにしてた。

話によると昨日飲んでたら酔っ払いに絡まれたそうだ。

俺は言った「昨日の幽霊は絶対お前やろ。」

父さんは「違う」と言った。

先日父が他界した。

闘病の末の死だった。

わずか48歳で死ぬなんて人間悲しいよなぁ。

そして父の遺書が見つかった。

母や会社の人、祖母、祖父にとても長い感謝の言葉を綴っており

俺にも書いてくれてたみたいで少し泣けてきた。

健太へ、

お前は昔チビでやせてて良く馬鹿にされてたね。

でもお前はお前の道を見つけ出して立派に生きた。

お前が強くなってからお前を馬鹿にする奴は居なかっただろう?

これからもお前の人生は長い、

だからしっかり自分で道を見つけ

それに沿って進んでいけばきっとやりたい事は成し遂げられるさ。

お前ならきっと乗り越えられると思うから、ここに記したいことがある。

俺の病気は脳を強く強打したことによる血腫が原因だ。

つまり、あの日幽霊の格好してお前に殴られたのが死因だ。

あれは俺でした、それは謝ります。

でも次はマジの幽霊になって行くからな。

おまえまじで覚えとけよ糞ガキ!

もう1度来たらまた殴ってやろうと思う。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

Concrete
コメント怖い
0
1
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ