短編2
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真夜中の悪夢

その日は書類整理やら見積りやらで 会社を出たのが23時過ぎになってしまった。

会社のすぐ脇は国道が通っていて行交う車はまだ多かった。

俺は愛車に乗り込み、エンジンをかけ品薄のセブンスターに火をつけた。

カーステレオからは俺の思い出の「T‐BOLAN」の曲が流れている。

それをBGMにタバコをくわえたまま会社を後にした。

仕事が終わった安堵感と何もせずに終わる一日への物足りなさを抱いたまま家路へ車を走らせる。

途中コンビニに寄り、セブンスター(ソフトケース)を買おうと思ったが、品切れだったのでしょうがなく、唐揚げ棒を一本買った。

ナ○コカードで支払いを済ませた俺は再び帰路についた。

俺は2LDKのアパートに住んでいる。間もなくそのアパートが見えてくる。

そして駐車場に車を停め一階の自分の部屋へ向かった。

途中にあるポストを開け何も入ってないのを確認した俺は、高級スーツのポケットからKEYを取りだし鍵穴に差し込んだ。

「!?」開いている…その瞬間背後に気配を感じた。とっさに振り向いた。

誰もいない…見えるのは少し離れた場所に停めてある俺の愛車だけ。

「?」異変に気付いた。車のルームランプがついている。

おかしい!俺はつけた記憶はない。気味悪く思いながらも車に戻りランプを消した。

そこでアパートの鍵が開いていたことを思いだし、急いで部屋の前まで戻った。

だがおかしい!俺は確かに鍵穴にKEYを差したままだったはず。

高級スーツのポケットにも、地面にも落ちてはいない…

ドアを開けてみる…やはり開いている。

部屋の中は当然真っ暗だ。俺は入口すぐのスイッチを押した。電気が着いた。

その瞬間、直感的に何か感じたの全身に鳥肌がたった。

下駄箱の上にKEYがある…ありえない!とっさに部屋の中を見た。そこには朝と変わらない室内だった。少し安心した。

すぐ鍵を閉めた。そのときだった。トイレから水の流れる音が聞こえた。

誰かいる!!そう思った俺はトイレの方を見た。トイレのドアについている小窓は暗い。電気はついてない証拠だ。

5分くらいはたったであろうか?トイレのドアは開かない。誰もいないのか?はっきり言って俺はビビっている。しかし確認しないわけにはいかない。

俺は高級革靴のまま部屋へ入り、力いっぱいドアを押さえたままトイレの電気をつけた。……中からは何の反応もない。俺は何かの覚悟をきめドアを開けた。

誰もいない。安心したためか肩の力が抜けた。しかしさっきの水の流れる音はなんだったんだ?いくら考えても答えはでない。自分の中で気のせいか故障のどちらかで無理矢理かたずけた。

俺は玄関へと戻り高級革靴を脱ごうとした。

「ピンポーン」

……「!!」

続く

怖い話投稿:ホラーテラー 黒山さん  

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