中編5
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落とし物

これは俺がまだ厨房だった時の話。

文才が無いから理解し難い部分はあると思うが、そこら辺は勘弁してくれ。

地元はY県S市。

市 と言ってもかなりの田舎で田んぼや山ばかりの地域だった。

当時の俺は、はっきり言って、真面目なタイプではなかった。

むしろ逆、親に迷惑ばっかり。

そんな俺にも友達は居た。

TとAだ。ちなみに俺は以降Sでいく。

「おーいS!! 早く帰るぞ!!」

TとAがいつものように俺を呼ぶ。

俺は合流し、これまたいつも通りの学校帰り。

だが、いつもと違うことが1つだけあった…。

俺達はいつも学校指定の帰宅ルートとは違う山道を通っていたのだが(煙草を吸ってもバレないよう)、その道の脇に紙袋があった。

「おいおいっ、ちょっと待って。 これ、何?」

発見したのはAだ。

余談だが、Aはいつも厄介事を導いてくる。

「なになに? なんか入ってんの?」

俺とTも興味津々に近付く。

3人で紙袋を覗き込むと、なにかわけのわからない模様の描かれた御札と風呂敷に包まれた箱みたいな物が確認出来た。

「はぁ?何これ。 気持ち悪っ」

これは俺。

「……」

明らかに落胆した様子のT。

きっと金やエロ本を期待していたのだろう。

「ちょw」

明らかにテンション上がっているA。

Aは持ち帰りたがっていたが、俺とTが頑なにこれを拒否。

結局その紙袋を放置して帰った。

だが…

次の日学校にAが来ていなかった。

病気でもしない限り休まないようなAなので、Tと話を合わせ帰りにA宅へお見舞いに行こうということになった。

約束通りTと落ち合い、ジュース等を買ってそのままA宅へ。

インターホンを鳴らしてみたが、誰も出て来ない。

おかしいな、と思いつつもノブに手を掛けると、玄関の扉が開いた。

「お邪魔しまーす」

2人で声を揃えながらAの部屋へ向かうと、暗い部屋にAが居た。

見慣れた部屋なのに妙に殺風景で、入った瞬間に鳥肌が立ったのを覚えている。

「おいA、サボりかよーw」

Tが笑いながら、Aの横に座り肩を組ながらジュースを渡す。

俺は机の椅子に座った。

そして絶句…。

そのまま3分くらい過ぎただろうか。

俺は目の前にある物から視線を反らせずに居た。

そしてやっと喋れた。

「おいおいおいおい…これ、どういう事だよ…」

視線を『それ』に向けたままAとTに話しかける。

『それ』とは、そう、先日の紙袋の中身。

ただ違ったのは、風呂敷が開封され、その風呂敷の上に木箱のようなものあること。

御札は横に置いてあった。

すぐにTがこちらにやってきた。

見た瞬間にTの顔が凍りついた。

「おいA、お前これ持って帰ったのか。 箱の中は見たのか?」

俺がAに聞くと、Aは2度頷いた。

それを聞いて、俺も中身が気になった。

開け方なんてよくわからないが、とりあえず開けてみようと思い箱に手を伸ばした。すると…

「やめろっっっ!!!!」

先程まで黙っていたTがデカい声で俺を止めた。

そして次の瞬間、Tが俺の腕を取り、俺を引っ張るようにAの部屋を出た。

そのまま玄関を出て俺とTはA宅から離れた。

荷物はTが持ってきてくれていたらしい。

息を切らせながらTに聞いてみた。

「なに!? なんかヤバいの!? あの箱なに!? Aは!?」

俺の質問責めに半キレ気味のT。

「うるさい!! 暫くAには近寄るな!! わかったか!!」

何がどうなってるのかよくわからなかったが、とりあえずTの言った通り、Aには近寄らないようにした。

それから暫く、Aは学校に来なかった。

そして、Tも。

T宅へ伺うことは可能だったが、何故か行っちゃいけない気がして行かなかった。

2人が学校に来なくなってすぐの頃は、仲の良かった俺はいつも教師に呼ばれ、AとTのことについて聞かれた。

知ってることは全て答えた。

ただ1つ、あの箱のことを除いて。

半年くらい経って、Aが自殺したことを聞いた。

遺書なんかは無かったらしいが。

俺はなんとなくこうなることがわかっていた気分だった。

葬式に行ったが、そこにTの姿が無い。

さすがにこれはおかしいと思い、久しぶりにT宅へ向かった。

T宅では、T母が出迎えてくれた。

Tには会えないらしい。

俺はT母に頭を下げてどうにか会わせてほしいと懇願した。

T母は渋々了解してくれて、俺を車に誘導した。

T母に連れて来られたのは病院だった。

しかも、車で毎日通える範囲内では最大であろうデカい病院。

連れられるままT母の後を歩く。

そして、待つように言われた。

T母が目の前の病室に入って5分くらい過ぎたところで人が出てきた。

T父。 T母も一緒に出てきた。

2人は俺を病室に入るように促す。

言われるがままに俺が病室に入ると、変わり果てたTの姿があった。

俺は自分の目を疑った。

Tは、所謂『脳死』って状態らしい。

動かないし、喋らない。

それを見ていて、泣いた。

Tの両親に、何故こうなったか聞いてみたが、わからないそうだ。

ただ、俺とTがAの部屋で箱を見た日から、Tの様子はおかしかったらしい。

さらに、その次の日にはどこかから風呂敷包みを持って帰ったという。

「……!!!!」

もう訳が分からなかった。

何故Aは自殺したのか。

何故Tは持ち帰ったのか。

何故Tは脳死なのか。

あれは今どこにあるのか。

様々な疑問が残るが、もううんざりだった。

俺はT母に送ってもらい帰宅した。

嫌な1日だったが、全てを終わらせたような清々しい気持ちはあった。

あの箱にもう関わらなければいいんだ。

そう、自宅の玄関に置いてあったあの箱を見つけるまでは、そう思っていた…。

流石にヤバいと思って、箱と一緒にお祓いしてもらったが、あれはなんだったのか。

俺は今片足が無いんだが、今後まだ何か起こるのだろうか。

このことを考えると、マジで夜も眠れません。

話は以上です。

乱文長文失礼しました。

皆様も、落とし物を見つけた際は気を付けてください…。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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