ばあちゃんが若い時に聞いた話
ばあちゃんの生まれ故郷の田舎からさらに離れた山の中に村があった。自動車はすでにあったが、道がないためあまり外部との交流が少なく、移動は自らの足か少し裕福なら馬を使っていたそうです。当時はまだバイクも高かったしスタンドなどない場所。
かといって閉鎖的な村でもなく、住民は朗らかで社交的な人が多かったそうな。
ただこの村には妙な生き物というか妖怪みたいなもんがいた。
満月になると山から来ると言われる「くびり」って名前の奴。名前の由来は首折りとか言うそうで、物騒な名前だ。
この「くびり」は必ず子供に表れる。大人は見た人はいないが、皆子供の頃に見たって人が結構いたらしい。
くびりは子供が寝静まった深夜に現れ、枕元に立つ。
そしてどういう訳か寝てる子供の頭の上に乗っかるらしい。
乗ったくびりは大変重く首が折れそうな感覚になるそうだ。
そしてくびりに文字通り首を「折る」「乗る」された者は必ず鈴を持って、翌朝になると小さな山の頂上付近にある岩にお礼を言いに行くらしい。
これをしないと病気になったり事故にあったりする。自分ではなく親が。だから親は無理矢理にも、どんなに嫌がっても山に入れるらしい。
で、ここからは更に怪しい話っぽかったが……
くびりに乗られてお礼をするとホクロが減っているらしい。
他に何かないか?とその話をしてくれた人に尋ねてもやはりホクロだけだと答えるそうだ。
ただ、付け加えるならくびりが出た家で飼っている動物は何故か長生きするって噂があったようだ。猫が24年生きたとか。
まんが日本昔話みたいになりました(笑)
怖い話投稿:ホラーテラー 松葉さん
作者怖話