中編3
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頻尿事件

叔父は、幼少時代よりヤンチャで大人になっても素行が悪く、奥さんには逃げられ子供にも見放されてしまいました

晩年は若い頃の勢いも無くなり、生活保護に頼る日々を送っていました

そんな叔父が亡くなり正直、叔父の実家である私の家族や親類はホッとした事は事実です

叔父は若い頃、堅気ではなくいわゆるヤクザと言われる職業?でしたから…

若い頃は羽振りも良く色々な人や商売店から『義理』と言ってましたが、定期的にお金をもらう生活していました

晩年はそんな義理も無くなり、私達家族や親類にお金をタカる日々でした

当然快く思う者などいる訳も無く、叔父自身の家族からも見放されていた叔父を見送ってやろうと言う者などいません

叔父の実家であった我が家にどうするかの選択が迫られる事となり、私の両親はお世話になっといるお寺の住職と相談し、役所にお願いし無縁仏として供養してもらう事にしました

しかし叔父の死を聞きつけた昔の友人や、世話になった事がある人達が私の家にやって来て

何とか葬儀をしてあげたいと頼みに来たのです

ああ…私達には迷惑な叔父だったが良く思ってくれている人も居るんだなぁと思い、感心した事を覚えています

叔父の葬儀も無事に済み、遺骨は逃げた元奥さんの知り合いのお寺さんに納める事で落ち着きました

叔父が亡くなった日から丁度6日目の晩、正確には0時を回っていたので7日目になりますが…

夜中の2時過ぎだったと記憶しています

息子が慌てて私の部屋に飛び込んで来ました

『階段に誰か座ってる…』と言うのです

『はぁ!?だれがぁ〜?』

『分かんない、怖くてちゃんと見てない…』

息子を私の部屋に残し、階段を見に行くと勿論誰も居ません

息子の話によると階段の四段目、丁度直角に曲がった少し広めの踏み板に

体育座りのように膝を抱え込んだお爺さんみたいな人が座っていたそうです

息子の部屋と私の部屋は、2階に上がる階段の前を通らなければトイレに行けません

普段あまり夜中にトイレに起きる事のない息子でしたが、その日を境によく夜中にトイレに起きるようになりました

トイレに行きたくなるのは決まって夜中の2時前後だそうです

『お前、若いクセに頻尿だなぁ』と息子を笑わせようとからかいましたが、全く効果はありません

夜中にトイレに行く度にそのお爺さんは同じ所に座って居るそうです

私も夜中に何度か見に行くのですが、私には全く見えませんでした

怖がりの息子は友達に頼み泊まりに来てもらったり、泊まりに行ったりしてました

昼間や友達が泊まりに来た日には、そのお爺さんは見えないそうです

そんな日が一月以上続き

叔父の49日の法要を簡単に済ませました

その日から階段に座るお爺さんは見えなくなったそうです

後日お寺の住職に法要のお礼に伺い、階段に座るお爺さんの話をしました

住職の話

それは〇〇〇さん(叔父の名)でしょう、亡くなった〇〇〇さんは悲しくも貴女方の家であるご自身の生家しか行くところが無かったのでしょうね…

お話をお伺いすると表れたのは初七日にあたりますね、人は亡くなると49日で仏様になり現世とは違う世界に行きます…大丈夫ですもう現れる事はありませんよと笑って言いました

その後、

息子の頻尿は治ったようだ…。

怖い話投稿:ホラーテラー アックマンさん  

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