長編9
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やばい土地

俺が二年前の夏にアルバイトで塗装屋をやってた時の話。

初出勤の日、バイクで集合地点に向かってた、そこで全員集まったら道具を乗せたトラックや車で現場に向かうと聞いた

時計を確認して「これだったら10分前に着くな」と余裕をもたしハンドルを絞った。

集合地点到着するとちらほら人も居て俺は社長を探し今日の仕事内容を聞き後はボーッと残りが集まるのを待っていた。

全員集まると社長が簡単に今日の仕事を説明し各自準備に入り俺はとりあえず全員に挨拶して回った

「俺じゃまくさくね?」と思ったが仕方ないだろうと自分に言い聞かせてたら

28歳くらいのゴツイ男が喋りかけてきた。

ゴツ男「三代目こっち系の仕事初めてか?最初は辛いけど簡単な仕事だから頑張れよ」

〔三代目?なんつーあだなだよ!〕と最初は思ってた

でも俺は転入初日に友達出来るか心配だよ症候群に罹っていたのでゴツ男が仏に見えた、嬉しさ混じりに元気良く「解りました!ありがとうございます」と言い、各自車に乗り込んで現場に向かった、これがゴツ男との初めての出会い。

道中ゴツ男と同じ車なので仕事の内容など色々な話をしてて、「車揺れるな~」と思いふと窓の外を見たら

いつこんな場所に入ったのか辺りは田んぼと木しかない寂れた田舎

「山?!森?!ドコですかここ!?」

ゴツ男「あぁ、そろそろつくよ」

「いやいや!?県越えましたっけ?」

焦る俺を見てみんな笑ってたが車を運転してる人が呟いた

運「なんだ三代目知らんかったのかい?」

ゴツ男×運転手「タコ部屋って言ってな」

「ええええぇ!!??」

ゴツ男×運転手「嘘だけど」

車内に爆笑が響いた。

こいつら息ピッタリだな畜生。

結局ここは県の外れにある地域らしい

自分の県にこんな所があったなんて知らなかった

ただ、あんたも三代目って言うのか……俺は半分泣いてた。

10分もしないうちに現場について車から降りると目の前に山に囲まれた建物が見えた

ゴツ男「ここが現場」

「これ学校ですか?」

訊ねるには意味があった校庭に遊具やバスケットゴールなどあるが校舎が小さいそれにボロイ

田舎はこんな物なのかと思ったがにしても……

ゴツ男「らしい、詳しくは知らないが一度廃校になったがまた再校するとか」

ゴツ男「それとな、ここ出るんだよ」

「え?何がですか?」

ゴツ男「前に仕事辞めた奴がな、此処の現場は駄目だあの学校は嫌だって言ってバックレちゃったんだ、因みにそいつが初代」

「えぇ~何かあったんですか?って初代?え?おい?」

「と言うより、何かあるんよこの土地は、だって可笑しいだろこの県でこの場所だけビルや街がないなんて」

言われて見れば確かに変だった、どこがどうと説明できないが

「自然を残してます」って感じじゃない

この土地だけ取り残された、もしくは出来なかった何か問題があってどうしても出来なかった

そんな違和感だった。

「じゃなくて、初代ってあんたまさか」

ゴツ男「因みにお前は三代目だ二人辞めてお前が三人目」

ゴツ男「二代目が辞めてから周りの奴は本格的に初代、二代目の役割誰も怖がってやりたがらないのよ」

「今なら歩いて帰れますかね?」

ゴツ男「二代目もそう言って逃げたけど昼頃に帰ってきたよ」

ゴツ男「帰り道、わからないでしょ?俺も最初解らなかったもん(笑)」

俺は仕方なく作業を始めた、まだこの話が半信半疑だったからと言うのもあるが帰り道解らないし。

作業を開始してから2時間はたった頃から熱くなり汗が噴出してくる

初めての肉体労働に俺の体は溶ける寸前、だが俺みたいな新人が文句など言えない

ただ周りに「使えない奴」と思われたくなくて積極的に重い物や辛い事をこなしてた。

時より周りの人たちが「無理すんなよ~」「頑張るなぁ~」など言ってくれて嬉しかった

けれど、そろそろ奇声を上げて塗料を頭から被り壁に感じるがままペインティングしたくなって来た

さぞ芸術的な絵が出来るだろう、そして作者は当分精神病院に隔離されベットに縛り付けられてニュースでは友達が「まぁ~いつかやると思ってました」と機械的な声で証言してるだろう。

男「お~い休憩だぞー」

良かったどうやら入院は延期のようだ。

「生き返るぅぅ!うめえええ!?なんですこの飲み物?!」

男「ああ、コンビにのお茶だよ、少し落ち着け」

冷えた液体が俺の五臓六腑に染み渡る、生き返った本当に美味かった、お茶の偉大さに俺は感動している

「先人の知恵やばいっす!」

みんな苦笑いしてたがこの人達はあの暑さで気は狂わないのか?そんな事を考えていたら社長がいきなり俺に言った

社長「三代目、後半はみんなと違う仕事をしてもらう」

俺は、ついに来たかって思ったが断る訳に行かないし黙って聞いていると段々と話がオカルトになってきた

社長「この土地にはなこんな風習がある」

社長の説明した風習はうる覚えだが簡単に纏めるとこんな感じ

「昔この土地は呪われていて何か立てるとすぐに崩壊してしまった、だから村人は祠を建てその土地の神に生け贄を捧げる事で呪いを抑えてた、だが時代の発展と共にその風習は途絶えた、そして風習を知らぬ愚かな者がこの土地に何かを建てようとしたが成功は無く身に不幸が続いた」

昔ならありがちの話だった、良く聞く人柱の話だ迷信だ……だが何故、俺は思った疑問を訊ねた

「なぜそんなに詳しいのですか?」

社長「実はみんなこの町の出なんだよ、見捨てられたこの土地を復興したくて資金を集めまたみんな戻れるように町を治したいんだ」

成る程、良い話じゃないか……だがとても現実的じゃないな、いくら頑張っても後何十年はかかる事かそれに人柱なんて誰も信じない

でも仕事だし自分にあまり関係ないと冷たいがそう思ってた。

「それで俺は生け贄になるんですか?(笑)」

社長「あぁ、校舎の地下に祠があるんだ仕事が終わるまでそこに居てくれ」

「うわ、怖いっすね。今日は何時に終わりますか?てか、何故地下に?」

社長「今日は7時には終わるかな、祠の上に校舎たてたのは子供が集まるからだ、昔は神隠しがあったんだぜ?それと二代目は6日しかもたなかったけど、期待してるよ」

そう笑顔で神隠しとか言う社長が怖かった、だが俺は少し考えてみた

確かに不気味すぎて初代と二代目が辞める訳だが

ただ祠に居れば良いならかなり楽だ明日は漫画でも持ってこよう、など俺は呑気な結論が出た。

休憩が終わり各自仕事に戻る、俺は長期戦の為お茶と飯を持って暇つぶし用に携帯を持って校舎に向かった

あんな話を聞いたせいか校舎が不気味に見えた。

中に入ると意外にも綺麗だった

ただ古い所はあり床がたまにギイイィと軋む

「うえ、怖いなこの音」喋ってないと落ち着かない俺が居た

すぐに地下への階段を見つけ下りてく、外はまだ明るいがさすがに階段は少し暗い

俺は立ち止まり携帯のライトで足元を照らしまた歩き始めた、大分歩きやすい

だが地下にはすぐ着いたいかにも頑丈そうな扉がある

ふと、携帯の光で何か見えた、拾い上げるとボロボロのドライバーが落ちているのを見つけた

「なんだ?これ?誰か落としたのか?」

後で返しとこうと結論をだしてズボンに入れ扉のノブを回した

ガッチャ!ギギイイイイイイ!と音を立てて重い頑丈な扉は開いたがそれと同時に扉の奥から異臭がした

「うッ!?クセぇ……」

一瞬思わず口に出したがこの臭いはすぐに解っただがそれよりヤバイ事に気付いた。

「嘘だろ……」

シンナーの異臭に充満した暗い部屋の奥に何かがある

何かを奉る物が火揺れるロウソクに照らされ見えている

ただ、俺の頭はロウソクの火しか考えられなかった

<すぐに部屋に飛び込みロウソクの火を消そうシンナーに引火する前に>

と頭で理解するより体が先に動いた、俺は一歩足を前に出した

その刹那、ふわっ、と体が浮いた感触そして倒れそうになる体を無意識に足が止める、どん!と地面を踏みつけ体を立て直し踏みとどまった

〔危なっ!この部屋は一段低いのか……〕

ギイイィいい…ガッチャン!

「?!」

音に驚きビクっ!として後ろを振り返ると扉は閉まっていた

だがそれより火を消さないとヤバイなのに俺は……動けなかった。

祭壇や仏壇にも似た縦横60㌢位の小さな祠は壁をくり抜いて開いたスペースに作られていてペンキに塗られ真っ赤で

周りは細く長い傷がロウソクの火でかすかに見えた

「なんだよこれ、ヤバイだろ」

何か喋ってないとくじけそうだ

怖くて俺は携帯を取り出しライトをつける、

光があれば安心できると思ったから、けど、それはすぐに後悔に変わった

祠の周りの細く長い傷は床や壁に続き俺の後ろにも続いて扉の前で途絶えてる。

「いや、違う違う違うよ、逆だ……」

自問自答をしていた、だが今にも狂いそうな頭が理解した、この傷は扉の前から始まり祠で途絶えていると、そして思いたくも無かったが頭に「爪」と言う単語が浮かんだ。

「あっあ…ぁぁあ」

俺は腰を抜かし座り込み形にならない声を出しても尚、祠から目が離せない、もし目を離したら俺も引きずりこまれると思ったから

が、すぐにまた気付いた、ゆっくりと震える手で真っ赤な祠の周りにライトを当てる

絵だ、祠の周りに絵が描いてあった

肌色の輪郭、天井に白い目、顔を覆う黒い髪、そして口の部分に真っ赤な祠、正しい位置に顔の部品はあるのに歪みきってる大きな女の顔だった、今でも思うが描いた奴は人間じゃない

壁に描かれた女の顔が俺を見てる気がした目じゃなく祠から発狂しそうな視線が

もう良い!逃げろ!ヤバイ!逃げよう!逃げ!

ふっ、と息をかけたかのように携帯のライトとロウソクが消えた

「うあッぁあ・・・あああああああああ!!」

もう何も考えず叫びながら扉に走ってすぐ壁にぶつかり扉を探した見つからない手探りで壁を触るヌルっとしてた一箇所だけ感触が違う、あった!早く早くノブをノブノブ……

「あぁあ……アアアアアああ!あぁあ~あぁ!うあああ!ああああああぁぁぁぁぁぁ!!」

奇声を上げて何度も扉を叩いた、だが扉は開かなかった、見つからなかった、無かった、無いのだ、

この扉内側にノブが無い。

「だれがぁあああぁぁ!!けてええええあげぇてええぇ!」

正気じゃなかった、叫びながら扉を叩いて殴って

蹴って体をぶつけた

ここから逃げなければ死ぬ、じゃなくて

はやく出ないとヤバイ!死より後ろの視線が怖かった。

扉を蹴りすぎて足が熱い、足が……その熱さで一瞬だが正気に戻った

暴れててだろうがズボンに入れたドライバーがポッケ貫通して足に刺さってた

痛さは感じなかった、それを取り出してひたすらに何かした、懸命に、だが記憶は全く曖昧、確信をもって言えるのは後ろの視線は覚えてる、

段々と近づいて来てる、あの顔が壁から浮き出てあの黒い髪が巻きつき引きずりこまれる

恐怖で正気じゃなかったのに覚えてる

ガキッ!とドライバーが折れた音と感触それと同時に扉が揺れた、外ノブが壊れたのだと思う

隙間に手を入れ一気に扉を開いた

走った、階段を駆け上がった「ああああああああああああああ!」と大声を上げて泣きながら

外はまだ明るかった、光で目が眩みながらも校庭のに出て枯れた声で

「だれかああああ!」と叫んだ。

シーンとして何も聞こえない、そこで俺の意識は飛んだ。

目が覚めると病院に居た体中に痛かった、何日かたち親が来て友達がきて警察が来て事情聴取って奴かな?ただ酷い扱いでした。

まぁ……

無い塗装屋に存在しなかった人達の話

体中からシンナーの臭いがして、手にドライバーを持っていて足にドライバーの刺さり傷

ましてや幽霊などと言ったら完璧にジャンキーです

カウンセリングと薬物のセミナーを紹介されました。

だが、警察に聞く話あの学校に来たお坊さんが俺を発見したらしい、もう嫌な予感しかしなかった

んで、案の定病院にお坊さんが来た

俺は出来事を話した泣きながら、お坊さん優しかった真剣に話を聞いてくれて、お守りとかくれた

退院した後は、お祓いしてくれた、少し怖かった

でも、土地や塗装屋の事を聞いたが何も教えてくれなかった

「もうあそこに行っては駄目だ」それだけ言ってました。

逃げ出した後はかなり省いたが、結局ほとんど謎です、調べる気も起きません関わりたくないのが本心です。

これで話は終わり

ただ、気になる事がある

自分の解釈ですが、あのドライバーはゴツ男のじゃないかなって

んで、二代目ってのも、もしかしたらって……

これに興味を持ってあの学校を探しても良いと思います

同じ県の人なら見つかると思う

または、塗装屋の募集を探して見るのもいいです

けど1つ、俺が扉開けて階段を泣き叫びながら上ってた時

後ろで微かにだがハッキリと聞こえたんですよ、ノブを壊して開けた扉が

ギイイイイイイィ……ガッチャン!って閉まる音が。

おわり

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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