短編2
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保養所 弍

後日の俺、

俺達二人は外壁の塗装作業に入った、応援にもう一人後輩を頼み三人で作業を進める

大工さん、

相変わらす建物内での作業で気味が悪いらしい

「たまに足音が聞こえんだよ、バタバタさぁ…」

「子供の?」

「大人がスリッパ履いて走ってる感じ、怖くてさぁおかあ(奥さん)に一緒に来てって言ったら、スケベって言われたよ(笑)ワケわからん」

「ラジオとかどう?俺、あるよ車に入ってるから」

「んっ?ありがとう、でもラジオ駄目なんだよ、俺も持ってきてっけど、初めは良いけど途中から聞こえなくなんだよね(笑)ザーって音だけになる」

「まじで…」

電気屋さん、

あれ以来作業には来ない、クロス屋さんの後に器具付けするまではやる事がないらしい、やる事がないけど時々顔を出す

「志村ケン出た?隠し子連れた志村ケン(笑)」

コイツは機会があったら殴る事にした

そんな殴るリスト筆頭の電気屋さんと道路を挟み、保養所の真正面の別荘らしき家のガレージで、時々見に来る監督と一休みしていた

監督が言い出した

「志村ケンの話は聞いてるよ、悪いけどあまり人に話さないでくれる」

「監督は知ってたの!?この保養所ヤバイって」

電気屋さんが真顔で言った

「いやいや知らないよ!」

自分の顔の前で手を左右に振りながら監督は答えた

「あの〜良かったらどうですか?」

不意に背後から女性の声がした、別荘だと思っていた家から女の人が煎餅袋を持って出て来た

「あっ、すみません」

監督が頭を下げながら煎餅を受け取った

「売れたんですね」

女性が保養所を見ながら聞いた

「僕らは良くわからないけど、〇〇〇会社って会社の保養所ですよ」

「元は旅館だったんですよ、ご家族てやってらしたみたいで」

「そうなんですか?」

俺が聞いた

その女性は月の内、半月は都内の家に、半月はこの別荘に来るそうで昨日の深夜に着いたらしい

女性によると、

旅館を始めた家族は直ぐにいなくなってしまいその後、コロコロ持ち主が代わるとの事

俺達は監督の嫌がるのを無視して女性に今までの出来事を話した

「私もね、見た事あるのよ」

「オジさんですか?」

「ううん、顔は暗くてハッキリ見えなかったけど、たぶん女の人…ほらあそこの小さな窓からコッチを見ていたのよ」

女性がそう言って指さしたのは例の子供の足跡が付いてた階段、階段の明かり取り用の小さな窓だった

あの階段は吹き抜けになっており、あの窓までの高さは三メートルはある

電気屋さんかポツリ

「大工さんに言うのはよそう…」

俺達も同意見だった

この保養所がある別荘地には何故かお稲荷さんがある…これだけで何処かわかる人はわかるはずである

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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