後日の俺、
俺達二人は外壁の塗装作業に入った、応援にもう一人後輩を頼み三人で作業を進める
大工さん、
相変わらす建物内での作業で気味が悪いらしい
「たまに足音が聞こえんだよ、バタバタさぁ…」
「子供の?」
「大人がスリッパ履いて走ってる感じ、怖くてさぁおかあ(奥さん)に一緒に来てって言ったら、スケベって言われたよ(笑)ワケわからん」
「ラジオとかどう?俺、あるよ車に入ってるから」
「んっ?ありがとう、でもラジオ駄目なんだよ、俺も持ってきてっけど、初めは良いけど途中から聞こえなくなんだよね(笑)ザーって音だけになる」
「まじで…」
電気屋さん、
あれ以来作業には来ない、クロス屋さんの後に器具付けするまではやる事がないらしい、やる事がないけど時々顔を出す
「志村ケン出た?隠し子連れた志村ケン(笑)」
コイツは機会があったら殴る事にした
そんな殴るリスト筆頭の電気屋さんと道路を挟み、保養所の真正面の別荘らしき家のガレージで、時々見に来る監督と一休みしていた
監督が言い出した
「志村ケンの話は聞いてるよ、悪いけどあまり人に話さないでくれる」
「監督は知ってたの!?この保養所ヤバイって」
電気屋さんが真顔で言った
「いやいや知らないよ!」
自分の顔の前で手を左右に振りながら監督は答えた
「あの〜良かったらどうですか?」
不意に背後から女性の声がした、別荘だと思っていた家から女の人が煎餅袋を持って出て来た
「あっ、すみません」
監督が頭を下げながら煎餅を受け取った
「売れたんですね」
女性が保養所を見ながら聞いた
「僕らは良くわからないけど、〇〇〇会社って会社の保養所ですよ」
「元は旅館だったんですよ、ご家族てやってらしたみたいで」
「そうなんですか?」
俺が聞いた
その女性は月の内、半月は都内の家に、半月はこの別荘に来るそうで昨日の深夜に着いたらしい
女性によると、
旅館を始めた家族は直ぐにいなくなってしまいその後、コロコロ持ち主が代わるとの事
俺達は監督の嫌がるのを無視して女性に今までの出来事を話した
「私もね、見た事あるのよ」
「オジさんですか?」
「ううん、顔は暗くてハッキリ見えなかったけど、たぶん女の人…ほらあそこの小さな窓からコッチを見ていたのよ」
女性がそう言って指さしたのは例の子供の足跡が付いてた階段、階段の明かり取り用の小さな窓だった
あの階段は吹き抜けになっており、あの窓までの高さは三メートルはある
電気屋さんかポツリ
「大工さんに言うのはよそう…」
俺達も同意見だった
この保養所がある別荘地には何故かお稲荷さんがある…これだけで何処かわかる人はわかるはずである
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話