短編2
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死神ゲーム

これは、今から4年前の出来事だ。

父親が、肺ガンでこの世を去った。58歳だった。

3才におばあちゃんを亡くした時とは、また何か違った、「死」に対する感覚を味わった。

それから、俺は寝つきが悪くなった。

死ぬことなんてまだまだ先、大袈裟にいえば半永久的に来ないんじゃないか、なんて思っていたはずなのに。

俺はこのとき精神的にかなり病んでいた。

さすがにやばかったので、近くのカウンセラーで診てもらうことにした。

父親が死んだことによるショックが大きいのでしょう。何かやりたいことを見つけて、生きる意味を見つけて。

死にたい、どうすればいいか、と相談しても、こんな何の励みにもならない回答しか返ってこなかった。まあ期待はしていなかったが・・・。

俺は言った。

「生きる意味なんて見つけたら死ぬのが怖くなるだろ。いっそ今の状態のまま死んだほうが・・・・。」

泣きそうだった。

すると、カウンセラーはこう言った。

「んじゃ、ちょっとしたゲームをしないか。」

話によると、俺みたいに死にたいと言ってくる人間はかなり多いらしい。

そして、そのカウンセラーは口を開いた。

「次にくる相談者が死にたい、と言ってきたら、10人揃う。それまで、控え室で待っていてくれ。」

言われるがままだった。俺は、頭が真っ白だった。

控え室には他に人がいた。俺も合わせると9人。

みな、目が虚ろで、生きた屍のようだ。

数時間経って、カウンセラーと、一人の男が控え室に姿を表した。

「さて、集まったな。」

そう言うと、カウンセラーの男は、

パン!パン!と手を叩き、大きな声で、

「それでは聞いてくれ。今ここにいる君たちは、死にたいと願い、生きることを拒んでいる集まりだ。そこでだ。今10人いるわけだが、誰でもいいから、二人ペアを作ってくれ。」

意味が分からない。

なんだこいつは?

正常な人間ならそう思うだろう。しかし、俺達は精神的に異常であり、否定せずまるで集団催眠の如く、ペアを作った。

続く

怖い話投稿:ホラーテラー 7さん  

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