短編2
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竹林之怪

昔、少年自然の家に行った時の事です。

毎年、学校の行事で自然溢れる少年自然の家に自然学習に行くのが、恒例でした。オリエンテーリングを沢山、経験した記憶があります。

草木の艶かしい香りがする風を受けながら林を歩き回って番号缶を探し回ったり、心地好い潮風に抱かれながらカヌーを皆で漕いだりと山海に恵まれた豊かな所でした。

ここは長くなるのを避けたいので割愛します。

オリエンテーリングの一部の番号缶探しの時の事です。

縦横無尽無人に歩き回り、林の木の柱にくくりつけてある缶に書いてある番号をメモしてゴールするというゲームです。

三人一組でしたが何故か自分が途中で仲間と離れてしまいました。

林の奥に来たんでしょうか?

目的の番号缶も当然ありません。

いつの間にか目の前は竹やぶになっていました。

嫌なジトッとした重い汗がでました。

何故か竹やぶの手前には墓地がありました。

五月蝿い位の蝉の鳴き声もしなくなってました。

風もない無音。

私は目の前が回って見えました。

(早く帰りたい)

横にある墓地の奥の竹やぶを見てしまいました。

白い顔を半分出してニヤァと笑う男。

下半身はありません。

顔だけ。

半分出してました。

無我夢中で走りまくりました。墓地を越えた先は大きな木があり行き止まりでした。

目の前がグルングルン回りました。

何故かあの男とこの樹が関係あるように思えました。

そこで意識は飛びました。

気がつくと家で寝ていました。

林の中程で意識なく倒れていたそうで先生が見つけて運んでくれました。

1日眠ったままだったらしいです。

その夜の事です。

真っ暗にして寝てました。

気配がするんです。

心の中で「私は●●●という名前です。いるなら名前を読んでください」と言いました。

「●●●ちゃん」

左耳に男性の声で息がかかる感じで言われました。

飛び起きました。

しばらくは明かりつけっぱなしで寝ていました。

金縛りにもよくあいました。

親に相談すると

あの竹林で若い男性が首吊り自殺したみたいです。

若い男性なんて親には一言も言いません。

お祓いに行こうとも言われましたが。

二十歳まで金縛りに合いましたが

その後は一度も合ってません。

当時、怖いと思った体験談です。

読んでくださりありがとうございました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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