僕はいつものように、医学批判をするのだが、『医学』と言うと『現代医学』と
いう事になるのだろうが、たいていの人はそれを『西洋医学』のみであると思わ
れるかもしれない。
僕の言う『現代医学』とは過去から積み重ねられきた医学の総体集というような
意味で、たとえば1900年であれば、その時代の最先端を行っている医学を現
代医学と呼び、2011年であればある程度の最先端を行く医学ということにな
る。
だから今の医学が西洋医学中心になっているから、現代医学とは西洋医学だけか
と思うかもしれないが、もし西洋医学を頂点として医療が行われているとしても、
その傘下に『漢方』も含まれているとしたら、漢方も現代医学に含まれることに
なる。
その意味は『現代医学の根本的思想』のなかに組み込まれた医療だからである。
この医学の根本の思想とは、
『病気は悪化作用だから、薬で治療する、薬で健康にする』ということになる。
しかし、僕の伝え聞いた、そして確信しているところの“異学”の根本思想は、
これに相反するのである。
『病気は天恵の浄化作用である。体内に蓄積された毒素の排泄作用であるから、
その毒素の因になるのは“薬”と呼ぶ毒物である。よって、薬で病気が造られる。
』
この様に医療(病気を治し、真の健康になるために行う方法)の根本的な思想が
まったく天地ほどの違いがあり、天動説と地動説のようなものだ。
だからまったく正反対の考えなのだから、ほとんど妥協点が無いだけに曖昧なと
ころもなく、真実か非真実かがはっきり下されて、かえって判定し良いだろう。
選ぶ人もどちらが白か黒か選び易いのである。中途半端はないのであるから。
ここで確かなことは、人間の思想や考え方にかかわらず“真実そのものはただひ
とつ”だ。
であるから、僕の言うことを丸のみにしないで、さらに医学のいうことも丸のみ
にしないで、どちらが真実に近いのか、自分でよくよく吟味してみよう。
そして、すべては結果に表れて来るから、事実を見つけだしてほしい。
長い前置きになったので、例のとおり、参考書から紹介しよう。
高橋晄正氏の本を市立図書館にて見つけた【漢方薬は危ない】より
【 医学は単なる科学の段階ににとどまるものではないにしても、まず科学でな
ければならないというのが、医学の領域に足を踏み入れてからの一貫した私の信
条である。
そして国民はいま、国が無審査で採用した漢方薬を科学な医薬品として認め、医
師から処方を受けたり、薬局の店頭で買い求めたりるすことを続けるかどうかに
ついて、厳しい自主決定を迫られている。
「漢方薬は危ない」という本書の書名は、瞑眩二〇〇〇年の扉を開き、その副作
用の実態を明らかにする意味とともに、つくられたバブル医療としての漢方の基
礎は、科学のメスによってまさに崩壊に瀕しているという意味をも含んでいる。
本書が、医学の在り方について私と考えを同じくする方々が漢方薬について自主
決定をするために、なんらかのお役校立つなら、私の努力は報いられたものとな
るであろう。 】
ここで高橋先生の名誉のためお断りしておくが、先生は医学を全面否定している
訳ではなく、まことに真摯な姿勢で科学的に医薬品(西洋も漢方も)の批判をな
されていると思う。
僕のようなあちこちからの“又聞き論”とは違うから、それには必ず裏付けが常
についていると思う。
【 「漢方薬は自然物だから害作用はない」と信じている人が少なくない。
だが、ブシ(トリカブトの根)を含んだ漢方薬を、自分でつくって試しに自分で
飲んでみて亡くなった薬学者の話は有名である。
「薬は本質的に毒である」という先人の言葉を忘れるわけにはいかない。
今、我が国の漢方ブームのなかで漢方薬の副作用が続出している。
新聞に報道されて有名なのは小柴胡湯などによるアレルギー性肝傷害で、身体が
だるくなり、食欲がなくなり、黄疸が出たりする。
漢方薬にはカンゾウを含んでいるものが少なくないが、そのカンゾウの入ってい
る製剤で身体がブカブカにむくんでしまったり、力が抜けて死にかけたっりした
人は、ここ十数年の間に七五人も報告されている。 】
「薬は本質的に毒である」ということをユメユメ忘れるべからず。
薬イコール毒、毒イコール薬
【 従来、漢方薬には副作用がなく、そのように見えるのは病気の回復の過程
で一時的に現われる”瞑眩”といわれる現象であると主張されてきた。
だが事実はどうであったか。本書はまさに、”瞑眩二〇〇〇年の扉を開くという
べきものであろう。
いま、思想史研究者などのなかから、漢方を「もう一つの医学」として位置づけ
ようとする主張がなされている。
しかし、漢方が薬草という“物質”をもって人体という“物質”に働きかける“
技術”である限り、それは“科学の方法論”による厳しい批判を免れることので
きない面をもっている。 】
西洋でだめだから東洋でというが昔は東西が同じ土俵にあったのを知っているだ
ろうか。
【 漢方は、中国の人々が二〇〇〇年の間、経験を通して支えつづけてきた貴重
な人類の文化遺産だという。
いま私の脳裡をかすめるのは、漢方志向の人々の眼差しには、科学を超えた古代
への憧れのようなものがあるのではないか、という思いである。
しかし、医療は思想でも哲学でもなく、技術であることを忘れてはならないだろ
う。
信仰の問題を論理によって批判するのは容易なことではないが、ここではその信
仰を支えているいくつかの基本的な認識の誤りを解きほぐすことを試みてみよう
と思う。 】
まったく医学が信仰であるというのは現に医学者がいう事は西洋でも東洋でも同
じだ。だから信仰者にいくら理論的に説明しも受け入れられないのだろう。
【 睡眠薬サリドマイドによる胎児傷害や整腸剤キノホルムによる脊髄神経傷害
すなわちスモンという大型の薬害事件の続出は、人々に「西洋薬は怖い」という
印象を植えつけた。
サリドマイド禍は、病気を治すために母親が服用した薬によって胎内で生育中の
胎児の手足があのようにひどく傷つくことが指摘され、世界の人々は「そんなこ
とが、、、、」と声を飲んだ。
そして各国は、医薬品の認可にあたって、製薬会社に対して小動物での生殖・胎
児毒性についてのくわしいデータ分要求するようになった。
しかし、我が国では、漢方薬の生殖・胎児毒性(およびガン原性)については、
ほとんど系統的な研究をしていないことを注意しておきたい。
いまもってそんなこととは知らない一般の国民は、「漢方薬は自然物だから、安
心だ」という考えからだろうが、「健康保険で飲める」という条件をつくってく
れた人たちに感謝しながら、ドッとなだれこんだのである。
しかし、自然物は安全だ」という”常識”はほんとうなのだろうか。 】
こんなことは薬学者なら、当然の常識であるだろう。
自然界から薬を取り出そうとするなら、その薬効とは毒性分になるということを。
【 漢方で生薬として使っているトリカブトの根(ブシ)は、その毒性を低下さ
せる処理(修治)をして使ってきたが、漢方の大先主が友人のために調整したブ
シ入りの強壮剤を、試しに飲んでみて死亡したということも文献に記録されてい
る有名な事実である。
古代中国の神仙術士がつくったといわれる大神丸のなかには辰砂(硫化水銀)が
含まれていたが、水俣病の発生に驚いて国はその使用を禁止したし、いまなお生
薬のなかに名をつらねている鉛丹(酸化鉛)は常用すれば鉛中毒になること間違
いない。
もともと、古くから民衆が経験のなかから発見した「薬草」といわれるもののな
かに、病気を治すのに有効なものもいくつかあったたことは事実だが、効くもの
ほど体質が合わなかったり、量が多過ぎたりすると生命にかかわる危険なものが
少なくない。
一九九二年はじめに福寿草の根を煎じて飲んだ老女の死亡事件が報道された。
その根のなかに強心成分が含まれていることは事実だが、有効量と有害量の幅が
狭いので医学では使わないものだったのである。 】
【イギリスの人々に浮腫の薬として使われできたキツネノテブクロ(ジギタリス)
の葉からジゴキシンという有功成分が抽出され、いま西洋医学で使う強心剤の中
心になっている。
それも使い過ぎると不整脈を起こして死亡することがあるので、血中濃度をとき
どき測定しながら使うことになっている状況である。 】
【トウゴマ(ヒマ)の種子から製造されたヒマシ油は、大腸粘膜を刺激して、よ
くないものを食べたときにその排泄を促進するのに利用されるが、使いすぎると
腹痛とひどい下痢を訴えて死亡することもある。
漢方薬のかなり多くのものに用いられているダイオウは、大黄という植物の根を
粉末にしたもので、便秘の治療に用いられいるが、量が過ぎるとひどい下痢を起
こして衰弱し、老人ではそのために死亡することもあるので注意が必要とされる。
そのうえ、腹部臓器のうっ血を起こすので、妊娠中の女性に用いると流産・早産
が起こるこどがある。
そのほか、第三章でくわしく述べるように、漢方薬にはその効用につらなる「主
成分の効き過ぎのための副作用」も少数ながらあるが、何しろ自然の植物をまる
ごと用いているので、「効果とつながらない不純物のための害作用」として、い
ま各種のアレルギー反応などが重大な関心を呼んでいるこどに注意する必要があ
る。
いずれにしても、「漢方は自然物だから、副作用はない」という“常識”は、明
確な誤りである。 】
これだけ書いてくれると僕の言い分が無いほどであるが、そんな証拠を並べなく
ても、“薬は毒である”ということが理解できればそれでお仕舞いなのだが。
このように“自然物だから安全”という神話はもろくもくずれ去るのである。
医学の常識というのがいかにあやふやなものか、これからも続々とその常識神話
が崩れ去って行くのだろうか。
いま信じている常識を改めて検証しないと安全な医療などあり得ないだろう。
【 古代中国人にとって、先賢の英知の結晶である漢方薬に害作用などというも
のは、ありうべからざることであった。治療中に病人に好ましくない症状があら
われたとき、それはめんげん瞑眩(めんげん)すなわち体内に潜在していた病変
が回復の途中で一時的に燃えあがるものであり、それを乗り切ることによって回
復に向かうものであるとされた。
だが、瞑眩二〇〇〇年の歴史が空虚な思弁の産物に過ぎないものであることは、
またしても現代科学の実証するところとなった。
そのひとつは、全く健康な動物でもそれが起こることが証明されたことであり、
他のひとつは、免疫化学の進歩によってその大部分のものが漢方薬またはその現
材料である 薬成分に対する薬アレルギーであることが証明されるようになった
ことである。
昭和五一年に、科学的有効性も安全性も保証されないままに不当に健康保険に採
用され(させられ?)た漢方薬の二〇〇篇におよぶ治験報告は、「漢方副作用学」
を書きあげるために貴重な資料を提供してくれているのである。 】
「この薬を飲むと一時的に具合が悪くなるが、これは体が良くなるために起こる
好転反応である」という説明も疑ってみる必要があるだろう。
それにはその薬に何が使われてどんな成分で果たしてそれがいくら食べても害の
ない食べ物として通用するものかどうかーーーこれが判断の役に立つだろう。
【 ところで、治療体系の欄を眺めていて湧いてくる疑問は、この間にヨーロッ
パ医学は何よって治療をおこなってきたのだろうかということである。
治療体系の欄に一貫して姿を見せているのは、ディオスコリデスの名で呼ばれる
薬物誌である。
彼はローマの暴君ネロ(三六ー六八年)にしたがって各地に従軍し、1000種
に近い植物、動物、鉱物をそのなかに収載し、ヨーロッパ医療の治療体系を支え
ていたのである。
どのような内容のものだろうか。
それを窺い知るために、私はいま健康保険に含まれている漢方薬一四八品目に使
用されている生薬のなかで、使用頻度の多い順に一〇位までを取り上げて、それ
らが『ディオスコリデス薬物誌』のなかに含まれているか
どうかを調ペてみた。植物学的に断定することがむずかしいものもあるので、最
終的な結果ではないが、だいたい次のようである。 】
【 『ディオスコリデス薬物誌』に含まれているもの―――カンゾウ、ショウキョ
ウ、トウキ、タイソウ、シャクヤクなど(六〇%)
『ディオスコリデス薬物誌』に含まれていないもの―――ブクリョウ、ニンジン、
ソウジュツ、ハンゲなど(四〇%)ということになる。
そのほか「ディオスコリアス薬物誌」のなかで、目につくものとして、ダイオウ、
マオウ、ウイキョウ、キジツ、エンゴサク、タクシヤ、コウブシ、コウカ、サン
ザシ、ハッカ、ボウイハンピ、ボウイ、ボウフウ、ユウタンなどの植物がある。
動物性のものとしては、各種の動物のいろいろな内臓のほか、昆虫の仲間として
ツチハンミヨウ、ゴキブリ、ナンキンムシ、イモムシ、ムカデ、サソリ、ヤスデ、
オニグモなどが含まれているのには驚かされる(漢方でもモグラの黒焼、キイロ
アブ、サツマゴキブリ、病気で死んで白く硬直したカイコなどが用いられる)。
鉱物では、イオウ、石膏、辰砂、胆バン、鉛白、赤鉄鉱などのほか、ヒソ、アン
チモン化合物なども見られる。 】
【 すなわち、ヨーロッパの医療を支えていた薬物は一八世紀までは、中国が古
来二〇〇〇年の問使用してきた生薬群のそれと本質的に異なるものではなかった
のである。 】
西洋でも東洋でも土俵は同じだったということだ。
僕がまえに掲示したように、西洋も東洋も薬の出発地点、つまり根本的思想はまっ
たく同じだったということだ。
日本では自然の生薬として漢方薬が主となっているが、「西洋からわたって来た
漢方薬」と言うと変だが、同じ自然から採れる薬として『ハーブ』の名が出て来
るだろう。
それについて本で調べたら次のように解説されていた。
《《 ハーブ
ヨーロッパでもともと薬用になる植物を指したもの。料理に使うのはごく一部。
江戸時代後期にオランダ医学が導入された。医薬として必要な薬草類を鉢植えと
して導入することが試みられた。西洋医学の導入によって西洋の薬草であるハー
ブの導入もさかんに行われ、各地の薬草園で栽培されるようになった。
西洋でも百数十年前までは生薬(草根木皮、鉱物、動物の臓器等)が医薬品とし
て使われ、その内容は漢方薬と共通するものが多い。
合成薬に変わったのは近代になって、生薬の有効成分を解明するようになったか
らである。》》
本来は“医学と僕の聞いた“異学”の土俵は違うのであるが、いきなり違う土俵
から情報発信してもアヤシゲナ文明人は目を白黒してこちらをアヤシムのである
から、どうしてもそちらの土俵からお知恵を拝借させてもらわなければ、観客は
目をむかないのである。アヤシカラズ、、、いや、アシカラズ、、、
怖い話投稿:ホラーテラー 大崎秋雄さん
作者怖話