中編4
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身の危険

こんにちは、かつをです。

心霊体験とかでは無いですが今でも思い出すだけで、身の毛がよだつ体験だったので投稿します。

あれは10年位前の話です。

その日僕は、友人Aと食事をしながら、有る話題について話をしていました。

その話題の発端は遡る事数日前になりますが友人Aは僕に、実はとても重大で言っておかなければならない事が有ると告白を受けた事に始まります。

A「なぁ、かつを…」

僕「何?」

A「今迄黙ってたんやけどな…実はな…俺な…どう言うたら良いんか分からんのんやけどな…実はな…」

涙ぐむA。

僕「何?何?どうしたん?何か有ったん?」

A「いや、何か有ったとかやなくて…実はな…俺なゲイやねん。」

僕「えっ?……。」

僕は頭の中が真っ白になりました。そして、泣き崩れるA…

僕「それって?えっ?えー?どういう事?え?何?それって男が好きって事?勘違いとかや無くて?」

僕は、相当混乱していて他にも支離滅裂な事を色々聞いてしまいました。

しかし、Aによるとやはり本当の様で話をしている内に初めは驚いていた僕も落ち着いて来たのと、元々オープンで何にも考えないたちだったのとで、数日経つと逆に興味本位で色々こちらから聞いて見たりしていました。

僕「えーそしたらさー、内のクラスでさ、こいつやったらイケるわって奴おる?俺抜きで。」

A「そうやなー、あいつもイケるやろ後あいつと、あいつもイケるな♪後かつをもイケるで!」

僕「いやいやいや、俺は抜きでやがな。」

A「えー、それやったら、あいつとあいつとこいつやな。後かつをな。」

僕「いや、もーえぇっちゅうねん!」

とそんな掛け合いをしていました。

自分の名前が出た事に僕的にはちょい引き気味でしたが。

A「ところでさ、俺な彼氏出来てん!そんでな彼氏がさかつをの事紹介してくれって言うてんねんけど、今から有ってくれへん?」

僕「え!まじで!?いつ出来たん?てかどこで知り合ったん?」

A「ネット。でさ、ちょっと変わった女の子も友達になってさ、今日皆で一緒にご飯食べよって言うてて、かつをもおいでよ♪」

僕は、その後の予定も無いしまぁ彼氏だけじゃ無く女の子も居るのならいいか、と思いAと一緒にその食事会に参加する事になりました。

食事会はその変わった女の子の家で鍋をするとかでその子の家に向かいました。

そして、彼氏と女の子の紹介をしてもらい、他愛無い話でその夜は盛り上がり夜も遅いのでその日は寝る事になりました。

その子の部屋はワンルームで少し狭く仕方なく僕達は床に布団を引き雑魚寝する事になりました。

そして、眠りに着き明け方近くでしょうか、何やらヒソヒソと話し声がするので目が覚めました。

しかし、まだ朝も早くもう少し寝たいと思い僕はすぐには起きずにそのままでいました。

初めは寝ぼけていてはっきりとは何をしゃべっているのかわかりませんでしたが、目が冴えて行く内に段々と話している内容が聞き取れる様になって来ました。

どうやら僕以外の三人で何やら話をしているようでした。

「なぁなぁ…あのさ…かつをさぁ…けっ…う…良く無…?」

「うん!俺…ぜ…ぜん…けるわ。」

っ!!

僕は話の内容に一気に眠気が吹き飛びました!

「襲っちゃう?」

「えー?それはやばく無い?暴れたりしたら面倒やし。」

「大丈夫やろー。こっちは男2人やし。」

「そしたら私はビデオとるわ!」

「お~い~ね~♪」

僕は正直どうしたら良いのか全く分からず、頼むから冗談であってくれ!と祈る様な気持ちで寝たふりを続けていました。

「でも、後々やばくない?」

「そうかなぁ?大丈夫ちゃうかー?」

「でもな~。てか、俺腹減って来たわ。コンビニで何か買ってくるわ。」

と、誰かが家を出て行きました。

僕は、何とか危機は去ったと思い、扉の閉まる音で目が覚めたみたいな感じで起き出しました。

僕「うーん。あれ~?Aは?」

Aの彼氏「あーなんか朝御飯買いに行ったよ。」

僕「そうなんや。俺も行こかな?」

女の子「まぁもう帰ってくるし皆の分ご飯作るから待っといたら?」

二人とも何も無い様な顔をして話しかけて来ます。

内心僕は早くここを立ち去りたい気持ちでいっぱいでしたがあまり無理に帰ると怪しまれると思いいざとなったら何としてでも逃げようと思っていました。

暫らく微妙な空気の中待っているとAが帰って来て、皆で朝食を食べ何となく帰ろうかという雰囲気になり女の子の家を後にし、僕は心から何も無くて良かったとホッとしました。

そして、Aと僕は同じ方向に帰る為改札でAの彼氏とは別の方向に向かいました。

その時です。Aの彼氏が僕に近寄って来て耳元でこう呟きました。

「かつを君。起きてたの気付いてたで。続きはまた今度ね…」

僕は全身の血液が逆流するかの様な感じになり変な汗が止まらなくなりました…

その後Aとは友人のままですが、その彼とは一度も有っていません。

ちょっと心霊とは違う僕の恐怖体験でした。

長々とお付き合いありがとうございました。

怖い話投稿:ホラーテラー かつをさん  

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