短編1
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お小遣い

子供の頃から可愛がってくれていたお婆ちゃんが亡くなった

母方の祖母だった為、日頃会う機会は少なかったが、会えば必ずお小遣いをもらっていた

母に

「大人になって働く様になったら、お婆ちゃんにお小遣いあげなきゃね」と

言われたのを思い出す

高校を卒業して働き出してからもお小遣いをもらった

「バアちゃん俺、働いてるから要らないよ」

そう言うとお婆ちゃんは悲しそうな顔をした

「有って困るモノじゃないから、取っときな」

そう言いながら俺の手に無理矢理お札を握らせる

「バアちゃん、俺が小遣いあげるよ」

「ありがとう、でもそのお金は自分のために使いなさい」

「バアちゃんにあげたいんだよ、たまにはもらってよ」

お婆ちゃんはニコニコ笑うだけで絶対に受け取ろうとしない

一度、寝ている隙に枕元に置いて帰った、

次の日の朝、叔母さんがお婆ちゃんに頼まれたとお金を返しに来た事があった

お婆ちゃんが亡くなり

49日の法要を身内だけで簡単に済ませた時、競輪好きの従兄がこれから競輪に行くと言い出した

競輪など一度もした事ない俺だったが、何となく今日の日付の車券を頼んだ

また…

バアちゃんからお小遣いをもらったと思った

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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