子供の頃から可愛がってくれていたお婆ちゃんが亡くなった
母方の祖母だった為、日頃会う機会は少なかったが、会えば必ずお小遣いをもらっていた
母に
「大人になって働く様になったら、お婆ちゃんにお小遣いあげなきゃね」と
言われたのを思い出す
高校を卒業して働き出してからもお小遣いをもらった
「バアちゃん俺、働いてるから要らないよ」
そう言うとお婆ちゃんは悲しそうな顔をした
「有って困るモノじゃないから、取っときな」
そう言いながら俺の手に無理矢理お札を握らせる
「バアちゃん、俺が小遣いあげるよ」
「ありがとう、でもそのお金は自分のために使いなさい」
「バアちゃんにあげたいんだよ、たまにはもらってよ」
お婆ちゃんはニコニコ笑うだけで絶対に受け取ろうとしない
一度、寝ている隙に枕元に置いて帰った、
次の日の朝、叔母さんがお婆ちゃんに頼まれたとお金を返しに来た事があった
お婆ちゃんが亡くなり
49日の法要を身内だけで簡単に済ませた時、競輪好きの従兄がこれから競輪に行くと言い出した
競輪など一度もした事ない俺だったが、何となく今日の日付の車券を頼んだ
また…
バアちゃんからお小遣いをもらったと思った
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話